じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
渋谷駅東口にあった東急文化会館跡地(3月17日撮影)。写真下は1998年10月当時。世田谷で生まれ育った私にとっては思い出の多い建物であった。以下に関連記事がり。
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【ちょっと思ったこと】
イラク戦争5年 イラク戦争開戦から5年になるという。5年前の過去日記を検索したところ、2003年3月22日の日記に、 イラクに親米国家は作れるか? という書き込みがあった。その一部を再掲すると、 大量破壊兵器を破棄させるため、独裁者からイラク国民を解放するため、...などと大義名分はいろいろあるだろうが、いくら理由をつけても戦争は戦争だ。犠牲を最小限にするために「最大限の努力する」とか「十分注意する」などと言っても、爆弾を落とした後の結果を「努力」や「注意」で変えることはできない。そこで暮らす人々にとっては、戦争の理由がなんであれ、国土が焼かれ身内が殺されてうれしいはずがない。となる。私は別に予言者でも無いし、国際情勢について細かく情報を集めていたわけでもないが、5年前に「イラクが日本のような親米国家になるというのは次の3点からみて甘すぎる」と書いたことは、ほぼ100%的中していたといってよいのではないかなあ。 というか、別に私に限らず、イラクに親米国家が作れるなどと思っていたのはブッシュ大統領だけであったかもしれない。イラク国内で今なお続いている宗派対立、民族対立は最初から予想できたことではなかったのかなあ。 歴史上何度も繰り返されていることであるが、権力の頂点に立つ人物というのは、時として、素人が考えても容易に予測できそうな誤りに陥ることがある。結果論と言えばそれまでかもしれないが、今後も、さらに大きなミスが繰り返され、人類滅亡に追い込まれる危険だって皆無とは言えまい。 都道府県の位置を知らないのは地理教育の不足によるものか? 各種報道によれば、日本地理学会が高校生と大学生を対象に実施した国内外の地理に関する知識調査で、宮崎県の位置を正しく答えられた高校生は半分以下、イラクは4人に1人、などの結果が出た。同学会は「話題になっている県や国でも、その位置を正しく認識していない生徒が多い」として、地理教育の充実の必要性を訴えているという。 3月19日付けのアサヒコムの詳細記事によれば、調査は同学会の地理教育専門委員会が昨年12月〜今年2月、全国の51校(うち37校は東京都内)に通う6159人の高校生と31大学に通う3747人の学生を対象に実施。白地図から10都県や10カ国の位置を選ばせた。このうち、東京都の位置については高校生、大学生とも93〜95%が正答。10都県のうち高校生の正答率が最も低かったのは宮崎県で42.7%、ついで愛媛県の49.6%。大学生の場合は、島根県が最も低く65.9%、ついで宮崎県の67.3%などとなっていた。また、外国の位置に関しては、10カ国のうち正答率が最も低かったのはイラクで高校生25.6%、大学生50.2%であった。 高校で地理を選択履修している場合、国の正答率は高校、大学とも未履修組より高かった。地理学会の滝沢由美子・帝京大教授は「国際化が進む中、地図上で物を考えることができる若者が少ないのは問題」と分析。地理教育の充実や、地理を専門とする教員の確保などを求めているという。 調査結果がこのようになったということは、宮崎県の東国原知事にとってはショックかもしれないが、しかし、だからといって、直ちに、全国すべての都道府県の位置や主要国の位置を正確に覚えさせたり、そのために「地理教育の充実」や「地理を専門とする教員の確保」が必要であるとは言えないと思う。 例えば、この調査を社会人一般を対象に実施したらどうなるだろうか。正答率が高校生や大学生よりもさらに低くなっていたとしたら、「都道府県や主要国の位置を100%知らなくても何ら支障なく生活できる」というエビデンスになると思う。社会に出てからすっかり忘れてしまうようなことを、高校で知識として無理に詰め込む必要は全く無い。 それと、この日記でも何度か書いていることだが、都道府県や外国の位置などというものは、その場所を旅行すれば確実に記憶に残るものである。宮崎県の位置などは、自分で旅行計画を立てて一度でも九州一周旅行をすれば生涯忘れないはずだ。 もう1つ、地理上の位置ばかりでなく、その場所に行くにはどういう交通手段があるか、どういう経路が可能か、どのくらいの時間がかかるか、といった実用的な知識が求められる場合もある。首都圏を移動していていつも思うのは地下鉄路線が複雑さであるが、場所によっては、外に出て歩いたりバスに乗ったほうが遙かに近いという場合もある。 |