じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 夏至が近づき、水槽で飼っている魚たちにも変化が現れた。

 まず、用水路が干上がる前に「救出」して飼っているハゼの仲間だが、このまま飼い続けると、水温上昇や病気で死んでしまう可能性が非常に高くなる。今年は、早めに、元の川(但し、用水路ではなく座主川本流)に戻してやった。

 写真Bは、つがいで飼っているベタ。昨年7月9日の写真と同一であり、もはや老齢ではないかと思われるが、ちゃんと交尾をしていた。写真CとDは、昨年、このつがいから生まれた二世たち。


6月19日(木)

【思ったこと】
_80619(木)[心理]人間・植物関係学会2008年大会(14)「二次視覚」の意義

 午後の発表の中で、植物観察における「二次視覚」の意義を論じた発表があった。「二次視覚」というのは、一次元、二次元という意味ではなく、英語で言えば「second order」あるいは「higher order (高次)」を意味するものであり、脳神経科学上の裏付けもあるようだ。具体的には、過去のデジカメ写真などを見ながら思いにふけるというような形で、時の流れを感じ、再構成された空間を知覚し、より長期的な視点で植物と接していくというような意義が含まれているものと理解した。

 何度か述べているように、園芸療法の効果は
  1. 短期的効果:園芸活動の直前と直後における気分変化、リラックス効果
  2. 中長期的効果:園芸活動に参加することによる中期的なQOLの向上
というように、異なるスパンで検証していく必要があるが、今回の「二次視覚」は、単なる「中長期的効果」とは異なり、より高次の知覚の意義を論じているように見受けられた。

 例えば、ある高齢者施設で、週2回の園芸作業を3カ月間実施したとすると、実施前と実施後では、QOLを測る尺度のスコアや機能評価などで一定の向上が確認できるかもしれない。しかし、この場合は、「1回目はプランター寄せ植え、2回目は花壇、3回目は野菜畑での収穫、...」というように、それぞれの作業が断片的かつ独立していたとしても得られる効果であって、今回の御発表の言葉をお借りするならば、「一次視覚」の累積の効果を検証しているに過ぎないことが分かる。

 いっぽう「二次視覚」と言った場合は、草花であれ樹木であれ、とにかく、同じ対象植物と中長期的に関わり、その変化を読み取り、さらには園芸活動以外の諸体験と関連づけ、ナラティブを通して厚みのある人生を構築するということまで含まれているように思われる。この部分の研究はまだまだ未開拓であり、また、既存の自然科学的手法だけでは検証できない部分も含まれているように思う。

 余談だが、私自身は、このWeb日記や、楽天版に毎日写真を載せている。最近では、単に美しい花や風景を載せるということよりも、昨年との比較や、数日間の変化などに興味をいだくことが多くなってきた。以下にいくつか例を挙げると、 などなど。少なくとも私個人の体験のレベルでは、二次視覚あるいは高次視覚の獲得は、私自身の日々の楽しみと生きがいの大きな柱の1つとなっている。


 次回に続く。