じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 岡山大学構内のキノコ(4)再びカラカサタケ

 6月5日の日記にカラカサタケの仲間の写真を掲載したが、これとほぼ同じ場所に再び同じキノコが出現した。



6月28日(土)

【ちょっと思ったこと】

「小6の6割 福井と徳島の位置分からず」と言うが

 各種報道によれば、文部科学省・国立教育政策研究所は27日、小学6年と中学3年を対象にした社会科テスト(特定課題調査)の結果を公表した。調査は昨年1〜2月、無作為抽出した全国526校約16000人を対象に実施。このうち、都道府県名から地図上の位置を選ぶ問題(小6)では、47都道府県の平均正答率が54.7%。正答率が最低であったのは、福井と徳島で39.9%。ついで宮崎40.1%、島根40.2%、さらに、私が住む岡山が41.3%で形式上第5位にランクインしていた。なお、小学生についての公式のまとめでは
47都道府県の名称と位置について,正答率は約55%。住んでいる都道府県の位置の正答率は約90%,近隣の県の正答率も約70%と高い傾向。隣接する県との誤答(例:島根県に対して鳥取県を解答)や名称が似ている県の誤答(例:福井県と福島県)などがみられた。
同じく中学生のまとめは、世界地理の調査結果と併せて
●世界の主な国の名称と位置について,正答率は約60%。正答率が約90%の国(オーストラリア,ロシア,中国,アメリカ合衆国)がみられた一方,面積が比較的小さい国が集まっている地域(例:ヨーロッパ,中南米の一部など)の国などは正答率が低い傾向。
●都道府県の名称と位置について,正答率は60%以上
というようにまとめられていた。

 この種の調査は、毎年、いくつかの機関で行われており、最近では3月19日の日記で、日本地理学会の調査結果に言及したことがあった(但し、高校生と大学生対象)。

 今回の調査全体はこちらの報告にあるように多岐にわたっているが、新聞報道ではそのうち話題性のある部分が過大に取り上げられる傾向が大きい。今回のネットニュースの見出しの1つに

「小6の6割 福井と徳島の位置分からず」

というのがあったが、「位置が分からない」ということと「他県と混同しやすい」という現象は別である。それと、福井と徳島の正答率それぞれ39.9%と、岡山の正答率41.3%が統計的に意味のある差であるかどうかも分からない。ネットの接続不良のため、詳細結果をうまく表示することができないのだが、知り得た限りでは、この調査は
本調査の対象については,小学校第6学年及び中学校第3学年の児童・生徒につき,小 学校では2種類の内容,中学校では3分野,それぞれ3,000人の調査結果を得ることとし て,全国の国公私立の小・中学校から無作為に抽出した調査対象学校における小学校第6 学年及び第3学年の全学級の中から,研究所が示す方法によりそれぞれ1学級を抽出し, その学級の児童・生徒全員を調査対象とした。
となっているが、もしそうであるとすると、人口の少ない県の児童・生徒の回答数は少なくなる。いくらなんでも自分の住んでいる県の位置は正解できるであろうから、結果的に、人口の多い都道府県のほうが正解率が高くなる傾向があるのではないだろうか。であるとすると、福井と徳島の正答率それぞれ39.9%より、岡山の正答率41.3%が若干多いのは、岡山県在住の児童が多かったことによる可能性もある。

 ま、この日記でも何度か取り上げているように、都道府県の位置が全問正解できたからといって、得をすることがあるとは思えない。そのことを覚えるため何らかの努力をすることで別の何かがおろそかになるということも無いわけではない。それよりも、
  • 北海道の面積は、他県をいくつ合わせたくらいになると思いますか。
  • 九州と周辺の島の形を白紙に描いてください。
  • 日本各地の代表的な都市では、毎年どのくらいの量の雨が降ると思いますか。
  • 日本各地の代表的な都市の平均気温、真冬の最低気温、真夏の最高気温はどのくらいだと思いますか。
といった質問に正確に答えられることのほうが実用的であるし、環境問題を考える基礎にもなると思う。