じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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昨日の日記や、楽天版でも取り上げているように、岡山県南部ではこの時期、県北で雪を降らせた雪雲が押し寄せ、その雲間から太陽の光が射し込んだりして、刻々と変わる独特の光景を眺めることができる。 写真は文学部近く。陽が当たっているのはクスノキより手前のエリアだけに限られていて、スポットライトを浴びているような光景になっている。 |
【思ったこと】 _90114(水)[心理]「血液型性格判断」が廃れない本当の理由(2) 昨日の日記で、「血液型性格判断」が廃れない本当の理由の1番目として、
これに関連して、昨年12月上旬にヤフーバリューインサイトが20歳〜59歳の男女800人(血液型ごとに200人ずつ)を対象に行ったインターネット調査(出典はこちら、2008年12月25日付け、PDF形式)は、報告書冒頭で 日本人の間で決して廃れずに訪れるこのような血液型ブームの背景には、表現の面白さや売り方等のそのときどきの理由があるのはもちろんですが、それに加え、何らかの普遍的な『心理的ベネフィット』が存在するに違いないという仮説から、この一端を探る目的で調査を実施しました。と述べている。この仮説は私もその通りではないかと思う。というか、行動分析学的な見方をすれば、ある行動現象(ここでは「血液型本を買って読む」という現象)の背景には必ず、その行動を強化している要因がある。当該調査会社が言っている「心理学的ベネフィット」ということと、行動の強化因(=好子、あるいは強化子)を探るということはほぼ同義と考えてよいだろう。 さて、その調査結果によれば、回答者のうち、血液型本(「血液型占い」は除く)を「よく見たり・読んだりする」という人は60人、「ときおり見たり・読んだりする」という人は338人、「あまり見たり・読んだりしない」は273人、まったく見たり・読んだりしないは129人となっていて、読むか読まないかの比率はほぼ半々になっている。さらに、「よく見たり・読んだりする」人であるほどその内容を信用しているという結果が見られる。ま、おみくじでもそうだろうが、内容を全く信用していないならわざわざ買ったりはしない。あるいは、無神論の人は、(宗教関係の資料を集めている人を別とすれば)、宗教団体の勧誘パンフを読もうとはしない。血液型本をよく読む人ほど、内容を信用しているというのは当たり前という気がしないでもない。 冒頭にも挙げた『心理的ベネフィット』が存在するに違いないという仮説に関してだが、調査結果【3】を拝見する限りでは 見る・読む関与度が高い人ほど「共感・納得」「自己表現」「役立つ」「自分の血液型への愛着・誇り」が高いという傾向があることは裏付けられている模様である。但し、この調査は、予め用意された回答項目のうち、あてはまるものをすべて選べる(いくつでも複数選択可能)という調査方式となっている。この種の質問方法ではいっぱんに、肯定的な比率や、回答者がもともと想定していなかったような項目まで選択される比率が高くなる傾向があり、比率自体の大きさについては注意が必要(こちらに関連記事あり)。 いずれにせよ、「よく見たり・読んだりする」という人や「ときおり見たり・読んだりする」という人においては、自分を肯定したり、自信を持ったり、自己の改善・向上をめざす上で、血液型本が役立っている可能性があることは確かなようである。 以上を踏まえると、「血液型性格判断」が廃れない本当の理由の2番目としては次のようなことが考えられる。
次回に続く。 |