じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 _90327(金)[一般]高速道路1000円は当分、様子見/高速道路無料化よりも公共交通機関無料化を 各種報道によれば、東京や大阪の近郊を除く全国の高速道路で、ETCを付けた乗用車などを対象に、原則1000円を上限に何キロでも利用できる料金の値下げが3月28日から開始された。値下げは、2年後の2011年3月末まで実施される。 このサービスはいずれは利用したいと思っているが、とりあえず初日は様子見。土日は、もっぱら自宅や大学の研究室で過ごそうと思っている。 このサービスを初日に利用しない理由としては、何と言っても、大渋滞や大事故に巻き込まれる恐れがあるためである。道路交通情報のサイトを見ると、土曜日朝7時半現在で、すでに首都圏から各方面に向かう下り線、大阪・吹田から宝塚方面に向かうあたり、名古屋近辺で、かなりの渋滞が発生している。現時点では交通集中による渋滞が大部分かと思われるが、1000円乗り放題で無理をして過労状態のドライバーが増えれば、どこでどんな大事故に巻き込まれるのかは想像もつかない。高速道路料金がいくら安くなっても、事故で死んでしまったらそれまでである。くわばら、くわばら。 この1000円化割引サービスについては
この1000円化割引サービスは、我が家では多少恩恵を受けることになりそうだが、社会全体として、これが追加的な経済対策として効果を発揮するかどうかについては疑問に思っている。確かに、土日祝日の人出は増え、観光地は賑わい、土曜夜などはどこの宿泊施設も満室になるかもしれないが、その分、平日の利用者はめっきり減ることになりそう。それと、土日でも、高速道路から離れている観光地では人出が減るかもしれない。儲かるのは、ETC取り付け関連業界と、ガソリンスタンド程度、逆に損失が膨らむのは、競合するフェリー、鉄道・バス。また、上述のような形で交通事故が増えれば保険金支払いが増えて損保会社も大損をするかもしれない。 もっとグローバルな観点で言えば、地球温暖化防止、温室効果ガス削減が叫ばれているおりに、マイカー観光を促進するような経済対策が妥当かどうかも大いに議論になるところである。1000円化対象を、ハイブリッド車や電気自動車に限定すれば、多少は環境対策につながったはずであるが、今の政府にはそこまで先を見通す余裕が無かったものと思われる。 高速道路無料化を主張する政党もあると聞くが、これも、温室効果ガス削減という観点から言えば、環境対策に逆行すると言わざるを得ない。それよりもむしろ、鉄道やバスなどの公共交通機関の運賃を完全無料化(もしくは1000円乗り放題化)にしたほうが、温暖化対策としては遙かに有効であるし、車を持たない人たちも恩恵を受けることができて効果が大きいと思う。 |