じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 早朝の散歩時、大学構内で見られた朝焼け(05時26分頃撮影)。この直前の午前5時7分ごろ、静岡県で震度6弱を観測する地震があったが、この不気味な朝焼けと地震との間には特段の関係はなさそう。



8月10日(月)

【ちょっと思ったこと】

局地的豪雨と台風9号と地震の日の報道姿勢

 上にも述べたが、8月11日の午前5時7分ごろ、静岡県で震度6弱を観測する地震があった。この日記を執筆中の6時45分時点では、
  • 津波注意報発令中(これまでに観測された津波は最大40cm)
  • 静岡県内ほかで新幹線運転見合わせ
  • 静岡県内で東名高速閉鎖
などが伝えられていた。いっぽう、台風9号関連のニュースは、地震発生直後からは殆ど報じられなくなり、予想進路が簡単に伝えられ、「非常に激しい雨が降るおそれがありますので注意してください」という呼びかけが行われる程度に縮小されてしまった。

 最近では自然災害の速報体制が充実し、津波注意報などが迅速に伝えられた点は評価できるが、この日の朝6時現在のアメダス降水量TOP10によれば、
  • 1 静岡県天城山 43.0
  • 2 三重県宮川 39.0
  • 3 奈良県当麻 31.5
  • 4 奈良県田原本 27.0
  • 5 静岡県網代 24.5
  • 6 静岡県稲取 23.5
  • 7 千葉県勝浦 23.0
  • 8 奈良県高見 22.5
  • 9 大阪府生駒山 22.0
  • 10 神奈川県箱根 21.0
同じく7時現在では
  • 1 静岡県天城山 49.5
  • 2 奈良県田原本 36.5
  • 3 奈良県五條 33.0
  • 4 奈良県当麻 31.0
  • 5 静岡県稲取 26.0
  • 6 和歌山県高野山 24.0
  • 7 静岡県湯ケ島 20.5
  • 8 東京都大島 17.0
  • 9 静岡県松崎 13.5
  • 10 奈良県日出岳 9.5
というように、東海地方のほか、奈良県、千葉県などでも相当の大雨を観測しており、地震の揺れや津波などよりはむしろ、大雨による土砂災害、また強い地震に見舞われた地域では、地震と大雨による複合的な災害のほうが心配されるところであった。

 それから、昨日までの兵庫県佐用町、岡山県美作市、徳島県吉野川沿い、大分県竹田市、関東地方などの大雨による被害は、いずれも、台風9号から遠く離れたところで起こっており、台風の直接の被害ではなく、むしろ、太平洋高気圧が後退し、南から湿った空気が大量に流れ込んで発生した雨雲がもたらした豪雨であると考えるべきであろう。であるからして、台風の位置や進路ばかりに目を奪われていると、予想もしなかった地域で局地的豪雨に見舞われることになる。

 最近では、台風本体の進路や規模がかなり正確に予想できるようになったため、台風の直接の影響で被害や犠牲者が出ることは少なくなった。ところがその反面、各地で発生する局地的豪雨(いわゆる「ゲリラ豪雨」)への備えはきわめて不十分。しかも、被災地域のお年寄りが「60年、70年と住んでいるが、こんなことは初めてだ」と話しておられたように、地球温暖化のせいだろうか、過去の経験や知識が通用しないような被害が起こりやすくなっている。

 ということで、これから先は、台風や地震という個別的な災害ばかりでなく、それらの複合的な災害や、ゲリラ豪雨対策に気を配る必要がありそうだ。