じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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1月15日の日没直前に見られた部分日食。西の空には雪雲があったが、17時すぎには、雲の合間から太陽が欠けているようすを肉眼で確認することができた(←とはいえ、肉眼で凝視するには明るすぎるので、ドアのガラスに反射した様子を眺めつつ、シャッターを押していった)。 |
【思ったこと】 _a0115(金)[心理]2009年度版・卒論執筆の手引き(5)先行研究の総括から目的へ 先行研究論文の引用は、自身の研究テーマに関連のある内容に限るべきであり、テーマと関係のない部分まで紹介する必要は全くない、ということを1月13日の日記に述べた。 このことに加えて、単に引用文を羅列するのではなくて、 「引用」→「(卒論執筆者自身による)コメント」→「問題点や課題の指摘」 という繰り返しを重ねる中で、自身の研究の目的に絞り込んでいく必要がある。 いま述べたプロセスは、総説論文の場合でも同様である。但し、一般論として、総説論文の場合は、ある話題についての過去の研究を網羅した上で、現時点で何が分かっているのか、何が未解決なのか、今後の研究はどういう方向に発展させるべきであるのか、といったことを全体的視点から論じなければならない。いっぽう、卒論研究や原著論文の場合は、少なくとも序論においては、10年先の展望まで論じる必要はない。あくまで、自身が行った実証的研究に繋がりのある方向に絞り込んでいけばよいのである。 このことをふまえた上で、序論の構成をもういちど確認すると次のようになる。
絞り込みが難しい段落が本文の途中にあるというのは、論述の脱線を意味することになる。それでもなお、その記述が捨てがたい(論文の中に残しておきたい)という場合は、脚注に入れたほうがスッキリするだろう 次に「5.本研究で何を明らかにしようとしているのか(研究の目的、仮説など)」であるが、これは研究のタイプによって異なってくる。以下に代表的なタイプを示す。
(b)のタイプも(a)と同様ではあるが、「Xという要因」の関与の度合いがある程度検証されていることを示した上での研究ということになる。 (c)のタイプでは、その法則が本当に「広く支持されてきた」のか、先行研究を十分に概観しておく必要がある。但し、世間一般の常識や通説を反証するだけでも、意外性や話題性があるという点では評価されるだろう。 (d)のタイプでは、生起条件の一般性に留意する必要がある。その場特有の文脈や状況に依存して生起するというだけでは生起条件探求とは言い難い。 次回に続く。 |