じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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岡大猫の保護活動。大学構内・周辺に出現する地域猫については
などの日記で取り上げているところであるが、1月24日の昼、このことに関する「津島中地域猫の会」のメッセージが張られていることに気づいた(「津島中」というのは中学校の名前ではなく、大学構内一体の住所のこと)。私財を投じて活動されている方々には頭が下がる。
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【小さな話題】 未だにタバコを吸いながら会議をする政党があるとは!? 24日に招集された第百七十七通常国会に関連して、ニュース番組で各党の総会や会議の様子が伝えられていたが、驚いたのは某野党の総裁が挨拶する場面で、テーブルの上に金属製の灰皿が置かれ、総裁に向かって右横あたりから煙が立ち上っていたことである。政党の私的な会合であれ、昼食会のような場であれ、参加者や報道関係者の中には非喫煙者も少なくないはず。大勢の人が集まっているところで、受動喫煙の加害者になっていることを顧みず平気でタバコを吸うような議員が居るとは信じられないことだ。 |
【思ったこと】 _b0124(月)行動主義の再構成(2)「行動」と「直後の変化」との関係 昨日の続き。 行動分析学は、オペラント条件づけの研究であると言っても過言ではない。じっさい行動分析学の入門書、例えば、杉山ほかの『行動分析学入門』(産業図書、1998年)では、レスポンデント条件づけに関する1章を除く27章がオペラント条件づけ関連の解説に充てられている。 ウィキペディアではオペラント条件づけは オペラント条件づけとは、オペラント行動が自発された直後の環境の変化に応じて、その後の自発頻度が変化する学習をいう。と定義されている。 この基本部分で問題になるのは、「オペラント行動が自発された」という時の「行動」の定義、さらに「直後の環境の変化」という時の「直後」が何を意味しているのかという点である。 スキナー自身が発明した「スキナー箱」の中では、「行動」と「直後の変化」との関係はきわめて明白であるように思われる。要するに、ネズミを被験体とする場合にはバー(梃子、レバーとも呼ばれる)、ハトを被験体とする場合にはキー(ボタンとも呼ばれる)を1回押すということが行動であり、その直後に餌(ペレット1粒、あるいは短時間、穀物の入ったえさ箱を提示)が出現するということが「直後の環境変化」ということになる。 もっとも、「行動と直後の変化」という時間的前後関係は必ずしも明確ではない場合がある。例えば、「山登り」という行動は、単に「登頂」という結果だけで強化されるわけではない。ピークハントだけを目的とする人を除けば、通常、山登りの途中の眺望や登山道周辺の植物なども登山行動をささえる主要な好子(正の強化子)となっている。しかし、これは、山登り行動と一体化しながら随伴していくものであって、何歩歩いたらその直後に結果というような時間関係にあるわけではない。同じコトは、ジョギングやウォーキングを楽しむ場合についても言える。周囲の景色は、行動の直後ではなく、行動と同時に、並行的に出現しているのである。 じつは、「行動→結果」関係が明白であるように見えるスキナー箱においてさえ、あやふやなところがある。例えば、ハトを被験体として、キーを10回つつくたびに餌が出てくるという訓練を行ったとする(「FR10」の定比率強化スケジュール)。これは形式上、「餌無し → キーつつき → 餌無し」という無強化(消去)手続9回と、「餌無し → キーつつき →餌提示」という強化手続1回から構成されているが、ある程度訓練が進んだ段階では、ハトは「キーを10回つつく」というひとまとまりの行動を形成しているように見えてくる。であるならむしろ「餌無し → キーつつき10回 → 餌提示」というように「10回キーつつき」をひとまとまりの行動として定義したほうが合理的であるように見える。 ミクロとかマクロと言うことは簡単だが、問題は、マクロがどうやって構成されていくのかという問題である。 不定期で次回に続く。 |