【思ったこと】 _b0614(火)2011年版・高齢者の心と行動(16) 「楽しい」、「嬉しい」、「喜ぶ」の違い(2)使用頻度、語源、品詞
昨日の日記続き。
「楽しい」、「嬉しい」、「喜ぶ」は日常生活で頻繁に使われる言葉である。Googleで検索してみると、
- 「楽しい」:約 2億9200万件(「楽しむ」は約1億4600万0000 件。「楽しみ」は約4億2700万0000件)
- 「嬉しい」:約 2億900万件(「嬉しがる」は約2490万0000件、「嬉しさ」は約2780万件)
- 「喜ぶ」:約 2490万0000件(「喜び」は約7080万件)
などとなっていて【2011年6月15日午前07時現在】、「楽しい」と「嬉しい」はほぼ同数、「喜ぶ」はそれらより1桁少ないことが分かる。但し、ネット上で取り上げられる話題と日常生活で使われる話題は必ずしも同一ではないため、語彙の出現頻度に違いが出る可能性はある。
次に、やまとことばとしての語源であるが、ネットで調べた限りでは確かな情報は得られなかった。検索でヒットした記事では、
- たのしい:「た(手)」+「伸ばしい」
- うれしい:「うれふ」、「うらむ」などと同語源。「うら」は心の奥深いところを意味する。
- よろこぶ:???
という程度のことしか分からなかった。漢字の字源についてはもう少し確かな情報があるが、先にやまとことばがあり、それに近い漢字を当てたと考えられることからみて、字源による違いの説明はあまり意味がないように思う。
次に、これらの言葉の品詞であるが、もちろん、「楽しい」と「嬉しい」は形容詞、「喜ぶ」は動詞である。
- 「楽しい」には「楽しむ」や「楽しませる」という同じ意味の動詞形、「楽しみ」、「楽しさ」という名詞形がある。
- 「嬉しい」には「嬉しがる」や「嬉しがらせる」という動詞があるが、あまり使われないように思われる。というか「うれしがる」の「がる」というのは、「寒がる」、「新しがる」、「おもしろがる」というように「いかにもその状態にあるという印象を相手に与えるような言動をする」(『新明解】)という接尾辞であって、「嬉しい」の動詞形そのものとは言いがたい。「嬉しさ」という名詞形はあるが、「嬉しみ」とは言わない。
- 「喜ぶ」には「喜び」という名詞形がある。これは「遊ぶ→遊び」、「綻ぶ→綻び」、「休む→休み」などと同様で、五段活用の動詞の連用形が名詞になる形ではないかと思われる。形容詞形は「喜ばしい」であるが、後述するように「喜ぶ」は当人が喜ぶのに対して、「喜ばしい」は第三者的表現であるという違いがある。
次回に続く。
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