じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 _b0813(土)2011年版・高齢者の心と行動(45) ダイバージョナルセラピーワーカー・フォーラム2011(8)理事長による基調講演(8)implementationとevaluationの難しさ 8月5日の日記で、assessmentとplanningの難しさについて述べた。これと同様、implementationとevaluationにもそれぞれ難しさがあると思う。 まず、理事長講演によれば、「Implementation(実施、目的意識と観察)」とは、「社会的、身体的、認知的、スピリチュアル&文化的、心理的特性に配慮しながら...」実施することになっているが、この「配慮」というのは、十分な経験を積まないとなかなか達成できない。単に、あるプログラムを実施して効果を見るというだけならば、心理学の実験法と同じように、実験群と統制群に分けた個体間比較、あるいは同じ人の中でプログラム実施前と実施後、さらに反転実験計画などによって、その効果を検証することはできるのだが、全人的視点から、その人全体の日常行動の中でどう位置づけ、他の諸行動とどう関連づけていくのかという策定はそう簡単にできるものではない。このことが、何をもってevaluationとするのかにも関わってくる。 しかし、とにもかくにも、主人公はご当人であって、セラピストは支配者でも管理人でもカメの甲羅でも無いわけであるから、ご当人の個人情報の隅々まで把握スルことはできないしするべきではあるまい。現実には、特定のプログラムへの参加をオススメした後に、ご当人の諸行動を、観察や個々の記録(例えば、テレビを視た場合にはその時間、ゲームマシンを相手に楽しんだ人がいればその回数や時間など)に照らして、目録として記録していき、そこに見られた変化から推測していくほかには、有効な方法は見いだせないのではないかという気もする。 次回に続く。 |