じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 台風4号の進路を的中させたのは?

 各種報道によれば、台風4号は6月19日17時過ぎに、強い勢力を保ったまま和歌山県南部に上陸した。6月に台風が本土へ上陸したのは気象庁が統計を取り始めた1951年以降11回目で過去7番目の早さ。強く張り出した太平洋高気圧に台風が押し上げられた上、普段より南下した偏西風に乗ったことが原因とみられている。

 こうした特殊な要因が働いたためか、気象庁による予想進路は、上陸の2〜3日前の予想から大きく修正された。図のAは実際の経路。図のC、D、Fは、6月18日06時以降の進路予想であり、当初の西よりの予想から東方向に大きく修正された。なお、図のBとEはアメリカ・ハワイの米軍合同台風警報センター(JTWC)が発表する台風情報で、時刻は協定世界時(日本時間−9時間)となっている。米軍が6月18日の00時(日本時間18日の09時)に発表した予想が実際の経路に最も近く、的中させたといってよいだろう。但しその米軍も6月18日18時(日本時間19日03時)には、大阪市から日本海に抜ける予想に修正しており、それ以前のある時点での予想が的中したというのは単なる偶然であって結果論と言わざるを得ない。

 ちなみに岡山県岡山は、台風の進路が東にずれたこともあって、瞬間最大風速は16:39に記録した19.1メートルにとどまり、岡大の授業休講の基準の1つでもある暴風警報は発令されなかった。なお、降水量のほうは、6月19日だけで64.0ミリを記録。これで6月の合計降水量は153.5ミリとなり、6月19日までの時点で、平年の171.5ミリに近い値となってきた。

6月20日(水)

【思ったこと】
_c0620(水)マイケル・サンデル5千人の白熱教室 (4)大学の入学権はお金で買えるか?

 昨日の続き。講義では続いて、金銭的インセンティブの議論に進んだ。最初に提示された質問は、
優れた大学経営のためにお金を使いたいので、入学の権利の10%を最もお金を払った人から順に与えるというアイデアを思い付きました。裕福な親を持った学生達が寄付金をふんだんに払ってくれるなら、入学させるというものです。このような市場のメカニズムの使い方、そしてエリート大学への入学の権利を売り買いすることについて、あなたは賛成ですか? 反対ですか?
というものであり【講義録参照】、受講生の投票ではやや反対意見が多いという結果になった。賛成意見を述べたマサコさんは「...もしその10%の人たちによって寄付金が入れば、大学はもっと良い教授を採用できて、90%の人たちにもメリットがあります。また、その10%の人も十分に優秀でなければ卒業できないとしたら、両方にとってWin-Winの状況になると思うんです。...」という理由を述べていた。これに対して、ケンジは、お金が一番大事だと考える人が多すぎることを批判し、かつ、集めた寄付金で貧困な家庭で育った優秀な学生に奨学金を与えるような制度についても、それは高額所得者の税率を上げて福祉政策の一環として支援を行うべきだというように主張した。この2者による「論争」は、なかなかしっかりとしたもので、しかも、相手に伝わるような英語で発言されていた。サンデル先生もその展開に満足されたことと思う。

 私自身は、このケースに関しては、10%程度の特別枠で、親の寄付金が多かった学生を入学させることはあっても良いのではないかと思う。私が学生時代ならともかく、最近の大学では、厳格な成績評価と質の保証が求められるようになっており、仮に多額の寄付金で入学できたとしても、入学後にしっかりと勉強しなければ、留年や退学に追い込まれるのは必至であろう。

 それはそれとして、現実の日本では、私立の医大、歯科大のように、多額の学費・学納金が必要となっている。ざっとネットで検索したところ、6年間の学費・学納金はいちばん高い大学で4920万4490円となっており、これは払えるのはごく一部の富裕層に限られるはずだ。もちろん、そういう大学でも、特待生の制度があるとは思うが、仮に90%が一般入試(多額な学費負担あり)、10%が特待生枠(学費免除)という制度が認められるのであれば、その逆の、10%が寄付金枠、90%が一般入試という形で入試が行われたとしても、考え方はそれほど変わらないように見える。もちろん、理想としては、国の補助や奨学金制度を充実させて、家庭の収入の格差に関係無く、優秀な学生がどこの大学にも入学できるようにするべきであるとは思うが。

 次回に続く。