【思ったこと】 _c0803(金)冬のソナタ・新編集版(10)新編集版で残念に思ったカットシーン
7月29日の日記で最終回ラストシーンまでの大まかな感想を述べた。今回は、もう一度、放送第1回から振り返り、新編集版でカットされてしまったシーンを、放送回の順番に挙げてみることにしたい。
- 放送第1回(オリジナル版第1話):ユジンとチュンサンの初めての会話
居眠りをして慌ててバスを降りたユジンとチュンサン。「なに、ここどこ、どこなの? 何で起こしてくれなかったの。あなた何年生なの?」「2年」「ね、あなたゴリラ怖くないの? 2年生であなたみたいに大胆な人初めて。 早く。タクシー代割り勘にしてもらうわよ。」
やはり、出会いの初めての会話部分はカットされるべきではない。
- 放送第1回(オリジナル版第1話):チュンサンが機器の配線を直すシーン
チュンサンがメカに強いということを示すエピソードとして興味深い。チュンサンが「サンヒョクと同じ」という理由で放送部に入り、放送機器の音が出ない時に活躍する。
- 放送第2回(オリジナル版第2話):高校生時代のスカートめくり
ユジンのお転婆ぶりを表すエピソード。第2話の冒頭、トイレで「チュンサンには絶対ちょっかい出すなって言っていたはずよ」とオ・チェリンに言われて、チェリンのスカートをめくって逃げ出す。そのあと、チュンサンと一緒に焼却場の掃除で落ち葉を燃やす場面も懐かしい。
- 放送第2回(オリジナル版第2話):山小屋キャンプでのゲーム
火を囲んでみんなでゲームをする場面がカットされていた。高校時代にみんなで楽しく過ごした思い出として重要な場面。焼き芋を食べたあと、昔話のリレー創作ゲームをしている最中にユジンは席を立つ。このあとでユジンの遭難騒ぎが起こる。新編集版では、夜、ユジンが一人で歩いている時にチュンサンが後ろから話しかけるシーンのようになっていた。
- 放送第5回(オリジナル版第4話):一番素敵な家をめぐるユジンの言葉
スキー場視察で坂を登りながらユジンが「形としての家はどうでもいいんです。好きな人の心が一番素敵な家だと思います。」と答えるところ。これは、ラストシーンの「不可能な家」にもリンクしており、カットするわけにはいくまい。【2006年3月18日の日記参照。】
- 放送第12回(オリジナル版第10話):ミニョンの別荘で1泊したユジンが目を覚ます
ここでは、キッチンで、ユジンが料理を作るシーンが出てくる。スキー場のコンサート会場から飛び出した直後の出来事という引っかかりはあるが、とても家庭的で私が好きなシーンの1つである。
- 放送第23回(オリジナル版第18話):海辺での「新婚旅行」の2日目朝から夕方まで
7月27日の日記に記したように、新編集版では、チュンサンが怒ったりユジンの欠点を挙げる部分がメインで、上記2.の「あの海で幸せだった思い出」としての描き方が不十分になってしまう。
- 放送第24回(オリジナル版第19話):ユジンが「おばさん」と言われる部分
ユジンが「不可能の家」の模型を持って公園のベンチに座っていると男の子が興味を示す。ユジンが「それ、あげようか。あなたにあげる。」というと、男の子が「でも、おばさんは?」。「おばさんじゃないでしょ。おねえさんでしょ。おねえさんはいいのよ。...」。しかし、男の子は「要らない」といって去って行く。その直後にチュンサンと「最後」の出会い。「なかなかいいでしょ。あなたにあげるわ。」となる。要するに、「不可能の家」の模型はもともと、要らなくなって持ち帰ろうとしたものであり、チュンサンへのプレゼントではなかったことが分かる。
- 放送第24回(オリジナル版第19話)ユジンの墓参り
オリジナル版19話では、「異母兄妹」を知ってしまったユジンが、実家の母を訪ねてから父のお墓参りに行くシーンがある。お墓参りを済ませて坂を下りていくと、ふと遠くに、自分とチュンサンが花束や荷物をぶら下げて一緒に歩いて行くような幻影が現れる。はっと気が付くと、それは墓参りにやって来た別のカップルであった。このシーンはなかなか感動的。なおNHK版では、お墓の前でユジンが語りかけるシーンのみとなっている。
- 放送第25回(オリジナル版第20話):チュンサンがニューヨークに発つ前にユジンと交わした最後の会話「僕たち、会うのはこれで最後にしよう。あの海で幸せだった思い出を大切にしたいから。...」
このシーンがあればこそ、ユジンが、敢えてチュンサンを追いかけずにパリに向かった経緯が明らかになる。
- 放送第25回(オリジナル版第20話):ユジンがパリに発つ前、サンヒョクからニューヨーク行きの搭乗券を渡されるシーン【7月28日の日記参照】
- 放送第25回(オリジナル版第20話):3年後チュンサンが「不可能の家」の外でユジンとの思い出を回想するシーン
ラストのところでは、チュンサンがどういう思いでこの家を建てたのか重要。これをカットしてしまうと、ユジンとチュンサンは全く偶然に「不可能の家」で再会したように見えてしまう。
以上、今回の新編集版において、残念なカットシーンを10個ほど挙げてみた。民放で放送する場合、視聴率や時間的制約があるのは致し方ないが、「新編集」などという小細工をせずに、ノーカットですべてを見せてくれればそれが最良であったと思う。なお、今回の新編集版では日本語の吹き替えも各所で変更されており(例えば、7月27日の日記参照)、今回のために10年ぶりに担当された可能性がある。もっとも、ラストのラストは、
「ユジン」、「チュンサン」、「ユジン」ではなくて。
「ユジンなの?」、「チュンサンだったのね」、「ユジン、来てくれたんだね」
のほうが良かったようにも思う。
ということで、新編集版放送終了に合わせて、私のほうもひとまず連載を終える。今後また、ヒマができたら、かつていっぱい買い込んだ関連書などを読んで感想を書き加えたいと思う。なお、これまでの感想等はこちらにまとめてあります。よろしかったら、ご覧ください。
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