じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 今回の日本心理学会・第76回大会の参加費は、予約参加費で11500円、当日参加が13000円(発表論文集はCD-ROM版のみ配布)となっていた。また、冊子版発表論文集を希望する場合は、予約参加費が14500円、当日参加が16000円で3000円高く設定されていた。これまで重い冊子版を持ち運ぶのに苦労していたので、今回は冊子版無しの参加費を払ったが、冊子版希望者が少なかったせいだろうか、なっなんと3日目の大会終了時に、無料で配布されており、私も一冊を受領した。しかし、やはり重い。持ち帰って卒論生の参考資料として活用できるとは思うが、私自身はCD-ROM版があれば十分。紙資源の節約を考えて冊子版を廃止してもよいのではないだろうか。

9月13日(木)

【思ったこと】
_c0913(木)日本心理学会・第76回大会(2)高齢者の「孤立と孤独」を心理学から考える(2)独り暮らし率と未婚率をめぐる素朴な疑問

 昨日の続き。ワークショップではまず企画者から、「情報の共有」という目的で関連データが提供された。

 まず、独り暮らしの実態に関して、全国の一般世帯、単身世帯、単身世帯の割合についての統計および将来推計が示された(人口問題研究所、2009年12月推計)。それによれば、一般世帯数は、ほぼ5000万世帯で変わらず。しかし単身世帯の数と比率は年々増加し、2005年の1445万7000世帯(32.4%)が2030年推計では1823万7000世帯(37.4%)に増えると推計されている。こうした増加の原因の1つに、未婚率の増加があるという。2010年の統計では、男性の場合、25〜29歳の未婚率は71.8%、30〜34歳で47.3%に達しているという。女性のほうは、若干少なくなるが、25〜29歳の未婚率は60.3%、30〜34歳で34.5%に達しているという。また、50歳時の未婚率は、もうこれ以上歳をとってから結婚する可能性は少ないという意味で「生涯未婚率」と呼ばれるそうだが、2010年ではこの率が男性20.1%、女性10.6%に達しており、さらに2030年で男性30%、女性20数%になると予測されている。未婚率の増加の原因はいくつか考えられるが、30歳代の男性の場合、非正規雇用者のほうが正規雇用者よりも未婚率が高く、収入や職業の安定性が結婚に影響している可能性も指摘されているという。

 以上のところまでのデータに関しては、素朴な疑問が2つほど浮かんだ。

 1つは、サービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホーム、グループホームなどの施設に入居している高齢者の場合、住民票上では単身世帯であっても、実際は、同じ施設内で生活しているのではないかということ。この場合、「独り暮らし」にあたるのかどうか区別が必要であろう。この件については、翌日、別会場で企画者の方にお尋ねしてみたが、詳細は不明とのことであった。[
9/14追記]その後、企画者の方からメイルをいただきました。以下に転載させていただきます。お忙しいところご丁寧にありがとうございました。
改めてデータソースを調べると,国勢調査に基づく日本の将来人口推計が元になって いました。
このデータの場合は,国民の世帯は,一般世帯と施設世帯に分けてデータ化されま す。
今回,ワークショップでお示しした独居高齢者世帯数は一般世帯のデータなので,社会福祉施設居住の高齢者は含まれていません。
ただし,有料老人ホームなどの高齢者住宅で,一般のマンションやアパートと同じ区分になる建築物の場合は,棟ごとではなく戸別の一般世帯に含まれるはずです。
ということで、今回のワークショップで紹介された比率は、有料老人ホーム等一部を除き、施設入居者を含んでいないことが分かりました。なお、国勢調査ではなく住民基本台帳に基づくデータの場合は扱いが異なるとのことです。



 もう1つは、男女の未婚率の違いである。男女の数が半々で一夫一妻制である限り、結婚する年齢に差はあったとしても、男女の比率が全体にわたって異なるというのは数学的にはありえない。もしあるとすれば、
  • 日本人女性の一部は外国人男性と結婚する(→日本人男性の未婚率が増える)。
  • 日本では、男性のほうが離婚・再婚の回数が多い(→例えば、男女5人ずついたとして、1人の男性が5人のうち3人の女性と結婚・離婚・再婚を繰り返したとすると、男性の未婚者は残る4人、女性の未婚者は残る2人なので男性の未婚率のほうが増える)。
といった可能性であるが、うーむ、どうみてもこれらの可能性は低い。なぜだろうか。戦後しばらくは、戦死した男性が多かったため、結果的に未婚女性が多い時期があったとは思うが、いまの時代、50歳時点で男性が早死にしているとは考えにくい。とすると、どういう数字のからくりがあるのだろう???


 次回に続く。