じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 _c0913(木)日本心理学会・第76回大会(2)高齢者の「孤立と孤独」を心理学から考える(2)独り暮らし率と未婚率をめぐる素朴な疑問 昨日の続き。ワークショップではまず企画者から、「情報の共有」という目的で関連データが提供された。 まず、独り暮らしの実態に関して、全国の一般世帯、単身世帯、単身世帯の割合についての統計および将来推計が示された(人口問題研究所、2009年12月推計)。それによれば、一般世帯数は、ほぼ5000万世帯で変わらず。しかし単身世帯の数と比率は年々増加し、2005年の1445万7000世帯(32.4%)が2030年推計では1823万7000世帯(37.4%)に増えると推計されている。こうした増加の原因の1つに、未婚率の増加があるという。2010年の統計では、男性の場合、25〜29歳の未婚率は71.8%、30〜34歳で47.3%に達しているという。女性のほうは、若干少なくなるが、25〜29歳の未婚率は60.3%、30〜34歳で34.5%に達しているという。また、50歳時の未婚率は、もうこれ以上歳をとってから結婚する可能性は少ないという意味で「生涯未婚率」と呼ばれるそうだが、2010年ではこの率が男性20.1%、女性10.6%に達しており、さらに2030年で男性30%、女性20数%になると予測されている。未婚率の増加の原因はいくつか考えられるが、30歳代の男性の場合、非正規雇用者のほうが正規雇用者よりも未婚率が高く、収入や職業の安定性が結婚に影響している可能性も指摘されているという。 以上のところまでのデータに関しては、素朴な疑問が2つほど浮かんだ。 1つは、サービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホーム、グループホームなどの施設に入居している高齢者の場合、住民票上では単身世帯であっても、実際は、同じ施設内で生活しているのではないかということ。この場合、「独り暮らし」にあたるのかどうか区別が必要であろう。この件については、翌日、別会場で企画者の方にお尋ねしてみたが、詳細は不明とのことであった。[※] [※9/14追記]その後、企画者の方からメイルをいただきました。以下に転載させていただきます。お忙しいところご丁寧にありがとうございました。 改めてデータソースを調べると,国勢調査に基づく日本の将来人口推計が元になって いました。ということで、今回のワークショップで紹介された比率は、有料老人ホーム等一部を除き、施設入居者を含んでいないことが分かりました。なお、国勢調査ではなく住民基本台帳に基づくデータの場合は扱いが異なるとのことです。 もう1つは、男女の未婚率の違いである。男女の数が半々で一夫一妻制である限り、結婚する年齢に差はあったとしても、男女の比率が全体にわたって異なるというのは数学的にはありえない。もしあるとすれば、
次回に続く。 |