じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 敬老の日を含む3連休は、妻の実家のある北九州に向かった。道路は比較的空いていたが、笠岡IC付近で事故渋滞に巻き込まれ、ノロノロ運転を強いられた。写真は横転した自家用車を撤去しているところ。

9月15日(土)

【思ったこと】
_c0915(土)日本心理学会・第76回大会(4)高齢者の「孤立と孤独」を心理学から考える(4)認知症高齢者について(1)

 昨日の続き。ワークショップの2番目は、認知症高齢者についての話題提供であった。

 話題提供ではまず、平成15年6月厚生労働省推計による認知症高齢者数の見通し、さらに新たな調査結果においてそれを上回る数が報告され、かつ増加傾向にあることが紹介された。2010年における認知症高齢者は305万人で、高齢者10人に1人の割合を占めているという。この増加の原因については特段の説明は無かったが、診断技術の進歩により新たに認知症と診断された人の数が増加した可能性もあるので、現代社会の環境要因が認知症増加をもたらしているかどうかは分からない。その後ネットで検索したところ以下の関連記事があったので引用しておく。【引用元はこちら
認知症の高齢者300万人超 厚労省推計 65歳以上の「10人に1人」
2012.8.24 11:25 (1/2ページ)[病気・医療]
 認知症の高齢者が今年の時点で300万人を超え、平成14年時点の149万人から10年間で2倍に増加していることが24日、厚生労働省の推計で分かった。65歳以上の10人に1人が認知症を患っている計算になる。政府の過去の推計を大幅に上回るペースで増加しており、厚労省は近くまとめる認知症対策の計画に推計を反映していく方針。
 調査は、22年の1年間に要介護認定を受けた人のデータを基に、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意すれば自立できる状態(日常生活自立度II)以上の認知症高齢者を算出した。
 それによると、認知症の高齢者は22年時点で280万人(65歳以上人口の9・5%)おり、24年は305万人(同9・9%)になると推計。その後、27年に345万人(同10・2%)、32年に410万人(同11・3%)となり、37年は470万人(同12・8%)にまで増加するという。
 14年段階のデータを基にした推計では、22年に208万人、27年に250万人、32年に289万人、37年に323万人となっており、今回の推計は、いずれも大きく上回っている。
 厚労省は、「14年段階では、要介護認定が始まって間もなく、基のデータとなる介護保険を利用する高齢者が少なかった」とした上で、「急速な高齢化と、高齢者人口の予想以上の増加に加え、認知症に対する理解が進み、認知症と診断される高齢者も増加してきた」と分析している。
ということで、やはり、「認知症への理解」が進んだことが実数、比率の統計上の増加をもたらした可能性もあるようだ。

 次に認知症の概略として、認知症の定義、認知症というのは「状態」を示す用語でありその原因には種々の疾患が含まれること、などが紹介された。

 周知のように、認知症には、記憶障害、失行・失認などの中核症状と、行動異常などの周辺症状がある。しかしそれらはすべての患者さんに均一に現れるものではない。神経病理上の個体差や遺伝的要因が関与する一方、介護スタッフの対応の仕方によっても大きく変わってくる。とりわけ、BPSD(認知症の行動・心理症状、behavioral and psychological symptoms of dementia)は、当事者の認知機能そのものの低下を進めるほか、介護スタッフ側のQOL低下を招いたり、医療経済学的に負担を大きくするなどの問題があり、適切に対処することが求められているという。

 次回に続く。