じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 2012年版・岡山大学構内の紅葉(2)カイノキとイチョウの紅葉/黄葉情報
10月9日時点での大学構内の紅葉/黄葉情報。
  • 写真左上:時計台横のカイノキ
  • 写真右上:農学部前のカイノキ
  • 写真左下:農学部・東西通りのイチョウ並木
  • 写真右下:農学部と薬学部を結ぶ南北通りのイチョウ並木

 右側の写真は9月22日時点。図書館横のカイノキが多少オレンジ色になっているほかは、まだまだ緑の葉が多いようだ。
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10月9日(火)

【思ったこと】
_c1009(火)「選択」について考える授業(2)1回限りの選択と、繰り返し行われる選択の比率

 昨日の続き。

 「選択」を心理学の研究対象とするためには、それをどうやって測るのかを確実なものにしなければならない。1回限りの選択機会において、「どちらを選ぶか」、「するかしないか」、「どれを選ぶか」を測ることはもちろん、何度も何度も選ぶ中で、どういう比率で選択したのかということも重要な比率となる。例えば、じゃんけんで、次にどの手を出すか?というのは1回限りの選択、じゃんけんを100回行った時のグーチョキパーの比率というのは、繰り返し測定したなかで得られる比率である。

 行動分析学では通常、1回限りの機会で何を選ぶかは確率的に予測される。何かの意思が働いて決定論的に選択されるとは考えない。例えば、Aさんがきょうの昼にラーメン屋に行くかうどん屋に行くのかということは、試食券を貰ったとか、ラーメン好きの同僚に誘われたといった特段の情報が事前に得られていない場合は、絶対に当たるというような予想はできない。しかし、100日間において、ラーメン屋とうどん屋のどちらを選んだのかという選択比率については、かなりの精度で予測することができる。

 じつは、日常生活場面では、1回限りの選択よりも、選択が繰り返し行われる中での比率のほうが重要である場合も少なく無い。例えば、A店とB店という2つの食品スーパーのどちらを選ぶのかというの、その日のどちらに行くかという1回限りの選択ではなく、1ヶ月に何回ずつ行くかという選択の比率のほうが重要である。少なくとも、スーパーの経営者にとってはそう言えるだろう。

 もう1つ、「choice」よりも「decision」という英語がピッタリであるような1回限りの選択の場合でも、どちらを選んだのかということ自体の評価よりも、選んだあとでどれだけ努力をしたのかのほうが重要である場合が多い。大学進学、就職先、結婚相手の選択などすべてそうだと思うが、選んだことはほんの入口にすぎない。大学に入ったあとや就職先でどれだけ頑張るか、どのように協力して家庭を築いていくのかということのほうがはるかに重要であろう。

 次回(たぶん来週以降)に続く。