じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 本部棟の屋上から昇る太陽(4月27日05時27分頃撮影)。私の住んでいる所からは、GWの始まり頃と、8月のお盆の頃の方位がぴったり重なる時期となる。2012年8月16日の日記参照。



2013年04月27日(土)

【思ったこと】
130427(土)カンブリア宮殿:丸亀製麺

 昨日に続いて、テレビ東京系の「カンブリア宮殿の話題。ちなみに、なぜこの時期にテレビ番組の話題ばかりを連載しているのかと言えば、録画しているハードディスクが満杯になり、GW期間の録画予約ができなくなってしまったためである。DVDにダビングしても後日視ることは殆どないので、GW前半にできるだけ再生してメモ・感想をWeb日記に記して消去していきたいと考えているところである。

 さて、今回の話題は、4月25日放送の、

日本一のうどんチェーン!急成長の秘密は“常識破り経営”にあり! トリドール 代表取締役社長 粟田 貴也(あわた・たかや)氏

 番組記録サイトには、
低調な外食業界の中、業績を伸ばし急成長しているトリドール。712店舗という日本一の店舗数を誇る讃岐うどんチェーン「丸亀製麺」を展開する外食企業だ。ほかにも焼き鳥ファミリーダイニング「とりどーる」、焼きそば専門店「長田本庄軒」など、グループ全体で国内784店舗(4/25時点)を運営している。
年間出店数は約120店舗と、実に3日の1店という驚きの攻勢をかけているトリドール。売り上げはこの5年で3倍にまで成長、2012年度は売上高730億円、80億円の過去最高益を達成する見込みだ。
チェーン店の常識をぶち壊す様々な挑戦をしてきた創業社長の粟田。驚異のうどんチェーン、急成長の秘密に迫る!
 丸亀製麺のお店は、私の住んでいる所にも丸亀製麺岡山インター店があり、それほど頻度は多く無いが、何度か足を運んだことがある。このほか最近では、丸亀製麺岡山東川原店というのが開店した。ここはかつては、ベーカリーレストラン系の高級中華料理店があった所だと思うが、いったん更地となり、新たに建て直して開店したようである。

 私自身は、あまり味にはこだわらないタチなので[]、セルフうどん系のお店の中で、丸亀製麺がとびきり美味しいと思ったことはなかった。もっとも、妻はけっこうこだわっていて、私が誘っても「あそこは美味しくないからイヤだ」と言うセルフうどん屋がいっぱいある。そんななか、丸亀製麺は、妻が行ってもよいと言うお店の1つなので、たぶん、他店よりは美味しいのだろうと思う。私としては、ワンコインで満腹できるというのが魅力。
]国内はもとより海外旅行先の食事でもそうだが、私は安くて腹がふくれれば何でも満足してしまう。味の違いが分からないとも言えるし、美味しいものを食べるということに喜びを見出したことがない、食べることにお金をかけるのは勿体ないという人間なのである。

 ところで、私はこれまで、丸亀製麺というのは、香川県丸亀市発祥のうどん店が他県に進出してきたものと思い込んでいたが、ウィキペディアの当該項目にもあるように、このチェーンは、
 讃岐うどん専門店の「丸亀製麺」は、焼き鳥ファミリーダイニング「とりどーる」などの運営会社であるトリドールの2000年代後半以降における主力業態で、2000年(平成12年)11月にセルフうどん業態を導入した1号店「丸亀製麺加古川店」を兵庫県加古川市に開店したことをはじめに、街道沿いの独立店舗型を中心にショッピングモール内のイートイン型店舗や都心部向けのビルイン店舗を積極的な出店展開している。
 市場参入の動機と名称の由来は、運営会社トリドールの創業者・社長である粟田貴也の実父が香川県坂出市の出身で、幼い頃から讃岐うどん文化に慣れ親しんできた事もあり「もっと讃岐うどん文化を広めたい」との思いから、坂出市に隣接し讃岐うどんの聖地とされる地名、香川県丸亀市から「丸亀製麺」と名付け、より洗練した形にパッケージしたセルフ式讃岐うどん専門店の展開を始めた。
となっていて、丸亀市とは直接関係のないことが分かった。ちなみに、店舗検索によると、じつは、四国・香川県には、丸亀製麺のお店は4店のみで、それも高松市内のみ。じつは丸亀市内には丸亀製麺のお店は1軒もないことが判明した。なお、ウィキペディアには、店名に関して
  • 香川県内の店舗のうち、最初に進出したイオンモール高松フードコート内の店舗はかつて「亀坂製麺」として営業していた。理由として、香川県には丸亀市内に「丸亀製麺」と同名別企業の「丸亀製麺株式会社」という製麺所が実在していることから、デベロッパー側より変更依頼が出たことであった。しかし、同じ香川県でも2012年(平成24年)1月11日に開店した「丸亀製麺栗林公園店」(高松市室新町)からは「丸亀製麺」として開業した。イオンモール高松の店舗も後に名称を統一し、現在は本来の屋号である丸亀製麺で営業を行っている。
  • 日本国外における読み方は「MARUKAME」(まるかめ)としており「MARUGAME」(まるがめ)としなかったのは、「GAME(ゲーム)」と読まれる可能性があるためと英語圏の人にとって読みづらいという理由によるもの。また、ワイキキ店では正式名称を「SEIMEN(製麺)」から「UDON」に変更しており、理由として日本国外で「うどん」の単語は英語化されて馴染みがあり、その専門性であることをアピール出来るためである。
といった追加情報が記載されていた。ま、基本的には商標登録としてクリアしているのであれば、どこかの実在の地名がそのまま社名に含まれていても問題はない。1月25日の日記にも書いたように、「長崎ちゃんめん」のチェーン店が長崎市と関係なくても問題はないし、神戸屋の由来も「創業者の桐山政太郎が神戸の製パン会社に勤めていた際に、大阪で「神戸パン」という名称で販売を行ったことからであり、その後1918年(大正7年)に政太郎が独立したのと同時に本社を大阪に置いた。」そうであるから、丸亀製麺のお店が丸亀市内に存在しなくても、丸亀市民から特段のクレームが出なければ、どうということはないだろう。

 もとの番組の話題に戻るが、番組では、
チェーン店の常識をぶち壊せ!…うまさの秘密は“非効率な店”にあり
「丸亀製麺」は、釜あげうどん一杯280円と“ワンコイン”の安さにこだわる巨大チェーン。だが、中をのぞくとそこは“非効率だらけ”の店。全ての店舗に製麺機が置かれ、粉から麺を毎朝作っている。ダシも店内で昆布やカツオブシなどを使ってイチからとる。サイドメニューの天ぷらやかき揚げも、生野菜を切るところから始まる。おにぎりも機械ではなく店員が手で握る…。だから丸亀では開店1時間半前には、仕込みが始まるのだ。
というように「非効率」が強調され、「非効率」が集客マシーンになっているというようなことも言われた。

 確かに、丸亀製麺のお店に行くと、店員さんがたくさんいるという印象を受ける。もっとも、これだけで非効率と言えるかどうかは見方が分かれるだろう。番組の中で示された数字によると、丸亀製麺の直営店は全国712店舗、(正)社員数は572人であるという。お店の数よりも正社員が少ないというのは、素朴に考えるとまことに奇妙な話であるが、そのいっぽうで、パート店員は約1万6000人(50歳以上が3割)というからスゴイ。そして2012年からは「パート店長制度」が導入され、現在約80人が「パート店長」になっているという。パート店長の給料は約2割アップだという。こうしてみると、製麺やダシづくりの工程は非効率かもしれないが、人件費面では、他店に勝るとも劣らない効率化が図られているように思えた。この場合、50歳以上が3割というパート職員が、自分から望んでパートを希望しているのか、それとも、本当は正社員希望だが採用してもらえないのでやむを得ずパートで働いているのかによって、見方は変わってくる。単に人件費削減のためにパート採用ということであると、健康保険や年金、住居などの待遇を含めて、正規雇用化がスジであろう。そういえば国立大学では最近、「有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換させる。」という、平成24年8月1日成立「労働契約法の一部を改正する法律」(平成24年法律第56号)が話題にのぼることがあるが、これはうどんチェーン店にも適用されるのだろうか。もっとも、フルタイムとパートタイム、正規職員と非正規職員、有期労働契約と無期労働契約、などいろいろ区別があるようだが、素人の私には十分理解できていないところがあり、よく分からない。

 番組の終わりのほうでは、社長の粟田貴也さんから、次のような言葉があった。
  1. 私は数字が好き。こういうことをやりたいという時に やりたいだけじゃモチベーションが湧かない。「何店やりたい」とか「何年にしたい」とか その方がそこに近づこうとする力が湧いてくる。
  2. 自分の中にこれだけ多くのスタッフが関わっていることに対して 昨日と明日が変わらないのは良くない。成長の証として階段を昇っていきたい。自分の成長の中で踊り場は作らない。右肩上がりの成長を持続していくことに私なりの執念、モチベーションを燃やしてやっている。
 このうち1.は、まさに行動分析学的に妥当、的確な姿勢だと思う。要するに、具体的な目標を設定すれば、そこに近づく数値(目標値への接近を示す数値、現時点での達成の度合いなど)それ自体が好子となって行動を強化する。また、数値が目標を下回ることは好子消失あるいは嫌子出現となり、それを阻止しようという随伴性によって行動はますます奮い立たせられる(=阻止の随伴性による強化)。社長さんは「モチベーションが湧く、湧かない」と表現されていたが、行動分析学的に言えば、数値目標を立てること自体は確立操作、そのあとの努力のプロセスは強化と位置づけられるように思う。

 もう1つの2.は、現状に満足せず、常に更新を求めるという前向きな姿勢であり、しかもそれを着実に実現しておられるのだからご立派というほかはない。ちなみにこの「じぶん更新日記」というタイトルも、「昨日と明日が変わらないのは良くない。常にじぶんを更新していこう。」という理想を掲げて執筆を開始したものであったが、最近は、変わるといっても、記憶力の低下、体力の低下、...というように右肩下がりの変化ばかりが目立ち、「更新」というよりは「衰退」と呼ぶのがふさわしい状況になってきた。そんなこともあり、定年退職したあとは「じぶん更新日記」は「離脱と衰退の日々」、「隠居老人の戯言」、「ソフトランディング日記」あたりに名称変更しようかと思っているところである。