じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
熊本駅に到着後、ちょうどすぐに発車する豊肥線の各駅停車があったので、会場に一番近い水前寺駅まで乗ることにした。乗り換えの際に迷ったのは、ホームが複雑な構造になっていたことである。写真上にあるように、豊肥線の各駅停車は0番線(0Aから〜0Cという表示)であった。
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【思ったこと】 140916(火)日本心理学会第78回大会(7)ACTとマインドフルネス(2)ACT(アクト)の誕生と発展 昨日の続き。今回は、ACT(アクト)に関して、新たに知り得たことをメモしておく。 ネットで「ACT」を検索すると、
私がこの話を初めて聞いたのは10年以上前のことであり、念のため過去日記を検索したところ、2001年5月に「京都心理学セミナー」で武藤さんと高橋さんの話題提供を拝聴していたことが分かった。Web日記の執筆を続けていたおかげで、この種の情報はすぐに取り出せるから便利なものである。 さて、当時は、“ことばの「毒抜き」”の実演が行われたが、マインドフルネスとか瞑想のような話は殆ど出なかったように記憶している。その後どういう経緯でマインドフルネスとランデブーするようになったのかについて、今回のシンポやチュートリアルセミナーである程度理解を深めることができた。 まず、ACTの原型は、Hayesら(1994)の“Acceptance and change: Content and concept in psychotherapy.”から見て取ることができる。この本は前年、Acceptance and changeに関するNevada大学でのconferenceの内容をまとめたものであるそうだ。ちなみにこの本には論理療法(Rational Emotive Therapy、のちに、Rational Emotive Behavior Therapy)で有名なEllisも分担執筆しておられる。 ACTに関する最初の本は、1999年に Steven C. Hayesらによって出版された、 Acceptance and Commitment Therapy: An Experiential Approach to Behavior Change であり、見ての通り、Mindfulの言葉はタイトルには含まれていない。これが2012年の新版では、 Acceptance and Commitment Therapy: The Process and Practice of Mindful Change. となっていて、副題にMindfulが堂々と入っていた。もっともこれは、大幅な路線変更というより、より多くの人たちに買ってもらいたいという意図もあるようだ。 なお、ACTは特定の心理療法として固定されたものではなく、研究者相互の議論や成果を活かして日々進化していくものであるとのことであった。また武藤さんは、多数の翻訳書や論文を刊行されており「長年にわたりACTの普及に尽力されてきた」と紹介されることが多いが、ご自身としては、普及という意図はなく、「ACTの内容を正確に伝え、多くの人に評価してもらうため」が本意であったようである。 次回に続く。 |