じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 台風12号が日本に近づいているが、5日後の予想進路がなかなか定まらないようだ。気象庁の7月22日朝06時では日本の南岸を東進する予想であったが、12時には室戸岬から大阪方面へ、さらに23日03時には北九州から日本海に進む予想へと修正されている。米軍合同台風警報センター(JTWC) の予想もしだいに西よりに修正されているようだ。

 ちなみに、この台風12号にはユニークな特徴がある。
  • 西経域(日付変更線の東)から進んできた熱帯低気圧が、ミッドウェー諸島近海で台風に発達。
  • いったん衰えて熱帯低気圧になったあと再び発達して台風として復活。

 また発生日7月13日からすでに10日を経過しており、長寿台風のTop10にランク入りする可能性がある。

 台風11号で岡山では強風被害や土砂災害が発生した。恵みの雨なら有難いが、強風や大雨にならないことを願う。

2015年07月22日(水)


【思ったこと】
150722(水)『嫌われる勇気』(19)競争と敵味方

 7月20日の続き。

 第二夜(第二章)では続いて、競争の問題が論じられている。要約引用させていただくと、
  1. 「優越性の追求」とは、自らの足を一歩前に出す意思であって、他者よりも上をめざさんとする競争の意思ではない。【92頁】
  2. 健全な劣等感とは、他者との比較の中で生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれる【92頁】
  3. それぞれの人が前を進むというのは平らな地面をいろいろな方向に歩いているようなものであり、直線上で優劣を競っているわけではない。いまの自分よりも前に進もうとすることにこそ価値がある。【94頁】
  4. 競争の相手が「仲間」であるなら競争が自己研鑽につながることもあるが、多くの場合その相手は仲間にはならない。【95頁】
  5. 対人関係の軸に「競争」があると、その先には勝者と敗者がいることになり、人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れることはできない。【95頁】
  6. 競争によって勝者や敗者が生まれるは、劣等コンプレックスや優越コンプレックスにつながる。さらには、他者全般や世界を「敵」だと見なすようになる。【96頁】
  7. 対人関係を競争で考えていると、他者の幸福は「わたしの負け」であるかのようにとらえてしまい祝福することができなくなる。【98-99頁】
  8. 競争の図式から解放されることで、「人々はわたしの仲間なのだ」と実感できるようになる。【99頁】
 以上の要約引用箇所【一部、長谷川が改変】について私なりの考えを述べる。

 まず、競争自体の功罪については、昨年7月20日にも書いた通りであり、その是非は、
  • それがどのような行動を強化するのか
  • 競争に敗れた者への配慮があるか。
  • エリート養成なのか、底上げが目的なのか
  • 想定外の行動(裏技や抜け道)を強化していないか。
などによって総合的に判断されるのではないかと思う。

 次に、他者を敵と見なすか仲間であると実感するかという問題であるが、これは必ずしも競争が原因になっているとは思えない。利害関係を例に挙げれば、相手が敵になるか仲間になるのかは、別段、利益の額を競争するかしないかで決まるわけではない。利害の対立があるのか、お互いに得をするのか、というゲーム理論の原理によって決まってくる。であるからして、競争や比較を止めても、利害が対立している限りは仲間にはなりえない。但し、その対立は必ずしも争いをもたらすわけではない。棲み分けもあるし、戦略的互恵という関係もある。

 ということで、今回要約引用した範囲は、あまり賛同できない部分が多かった。

 不定期ながら次回に続く。