じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 8月23日放送のモーサテによれば、8月15日〜21日のビジネス書ランキング(紀伊国屋書店調べ)で、『嫌われる勇気』が第4位をキープした。8月3日の日記にも記したように、入れ替わりの激しいビジネス書ランキングの中で数ヶ月を超えてTop5以内を維持することはきわめて稀である。

2016年08月23日(火)



【思ったこと】
160823(火)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(96)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(32)「般化オペラント」についての復習(15)「関係づける」の意味(8)

 
 昨日も述べたように、

Hayes, S. C., Barnes-Holmes, D., & Roche, B. (Eds.). (2001). Relational Frame Theory: A Post-Skinnerian account of human language and cognition. New York: Plenum Press

の28頁では、関係フレーム理論について、(この書籍の刊行時点において)実験的証拠がいまだ十分には得られていないことを率直に認める記述がある。
Although RFT considers relational framing to be a type of generalized operant that is produced by a history of multiple-exemplar training, there is as yet no systematic analysis of the role of multiple-exemplar training in this regard.
関係フレーム理論では、関係フレーミングを多数の例示訓練の履歴によって形成される般化オペラントの一種であると考えている。しかし、現時点では、多数の例示訓練の役割については、いまだ体系的な分析が行われていない。【訳は長谷川による】
 それゆえ、幼児に対してどういう訓練を行えば新たな派生的関係学習を創り出せるのかについてもはっきりしないところがある。もっとも、この書籍の「第10章 Education」ではその可能性を開くいくつかの予備的研究が紹介されている。

 この節の終わりのところでは、
...At least within the behavioral community, when RFT reaches that level of support, it will be accepted by all. The purpose of this volume is not to argue that RFT is proven and accepted, but to argue that it is plausible, coherent, supported by the available data, and is experimentally progressive. The rest must be worked out empirically, and the theory must be allowed to stand or fall on its ability to create a robust and supportive empirical research program.
として、この書籍の目的は、RFTがすでに実証されすべての研究に認められているということを主張することではなく、この理論が、すでに得られたデータに対して、納得のいく理路整然とした説明を与えることができていること、そして、実験研究がさらに進められていることを示す点にあると論じられている。

 次回に続く。