【思ったこと】 170202(木)ACTの価値論(9)価値vs.ゴール(5)
昨日の続き。
ハリス(2012)の翻訳書326頁以降には、価値とゴールの違いについてさらにジャンル別の区別が記されていた。
- 願望,欲望,必要:
- どれも継続的な行動の指針ではないので,どれも価値とは言えない。
- 自分の行動はその大部分をコントロールできるが,自分の手に入るものは全くコントロールできない。
- 自分の要求や願望が満たされないとき,一番良いのは,そのつらさを受け容れ,自分の価値と接触し,行動を起こすことである。
- 感情:
- 価値は感情ではない。価値は,私たちがその時々の出来事や状況をどう感じるか,それにどう反応してどう行動するかに影響を与えるが,感情ではない。
- 美徳,モラル,倫理:
- 価値は,正誤,善悪を超えている。価値とは,自分にとって重要なものを言語化した,その表現にすぎない。
- 社会はそうした価値が良いか悪いかを判断し,「良い」価値は「美徳」と呼ばれる。
さらに、327頁では、「価値とゴールの区別に関する5つのキーポイント」が挙げられている。
- 価値は「今,ここ」にあり,ゴールは未来にある。
- 価値を正当化する必要はない。
- 価値は優先順位をつける。
- 価値は「軽く」持っているくらいの感覚がよい(価値に固執しない)。
- 価値は自由に選択できる。
これについては個別に詳しい解説があるが、要するに、価値は大切といっても24時間常に価値と接触をすることをベストとするのではなく、「今、ここ」をうまく回転させていけばよい。そうなってくると、私が提唱し、自分のライフスタイルとして実践している「活動の束」論とそれほど大差ないようにも思える。
次回に続く。
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