じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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昨日に続いてソテツの写真。今回は時計台南にあるソテツ。先月、大規模な剪定が行われたが、このエリアもまた、来年度に新しい施設が建てられる計画となっている。 |
【思ったこと】170218(土)オドノヒュー&ファーガソン『スキナーの心理学』(4)第1章 12月16日の続き。 本書第1章では、スキナーの思想や業績について、正確に学ぶことの重要性が説かれている。スキナーを誤解、曲解している研究者は少なくない。文中では、J.Lグールド(Gould, 1982)、ナイ(Nye, 1979)などによる批判について、いかにそれらが的外れであるのか、具体例が挙げられている。特に困るのは、スキナーの原著を参照せずに、著名な研究者が語っているというだけでそれらの批判を鵜呑みにしてしまう人たちが少なくない点である。もう10年前にもなるが、私自身も、大学教育の改善に関するフォーラムの中で、話題提供者のあまりにもデタラメな行動主義批判に呆れてしまったことがある。ま、そうは言っても、徹底的行動主義が誤解されている責任は、きっちりした紹介書が刊行されていないことにもある。そういう意味では、本書の刊行の意義は大きい。 第1章の終わりのほうでは、2つの点について注意が促されている。 1つは、スキナーの主張には一貫性があるとはいえ、50年以上にわたり著述を続けてきたため、それなりの発展過程があり、初期の著作と晩年の著作では異なる考えが示されている場合があるという点である。この本では主として1960年以降の著作が取り上げられているという。 もう1つは、ひとくちに徹底的行動主義といっても、「スキナー以後」の研究者たちの主張にはさまざまな点で重大な食い違いがあるという点。本書では、「スキナー理論の大半に多かれ少なかれ賛同する人たちだが、それでも、幾多のカギとなる問題に関して反論を示している(who to greater or lesser degrees agree with a lot of what Skinner had to say but who also disagree with him on a number of key issues.)」有力研究者として、
第1章の最後では、二人の著者、オドノヒューとファーガソンについての簡単な自己紹介がある。オドノヒューは『Hand book of Behaviorism』(O'Donohue & Kitchener, 1998) の編著者の一人、また『Learning and Behavior Therapy』(O'Donohue, 1998)の編著者としても知られている。ファーガソンについては、『ネバダ大学リーノ校でおもにリンダ・ヘイズと一緒に仕事をした。彼女からは科学哲学と特にスキナーの言語行動の分析を学んだ。」という記述があり、本書の言語行動に関する部分を読み解く参考になりそう。 次回に続く。 |