じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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台風18号が日本に接近している。予想進路は相変わらず岡山直撃の可能性が高く、被害が心配される。前回接近の台風5号は当初の予想より結果的に南寄り(東寄り)のコースを辿ったが、今回は今のところ変わっていない。 |
【思ったこと】 170914(木)ボーム『行動主義を理解する』(71)言語行動と言葉(8) 9月5日に続いて、 ボーム(著)森山哲美(訳)(2016).『行動主義を理解する―行動・文化・進化―』 二瓶社. の話題。 翻訳書192頁からは「意味」について本書の見解が示されている。言語の構造を形式的に分析するのではなく、話すという活動や言語行動について分析する場合には、心理主義的理論に陥る恐れがある。本書では、意味を言葉の理論に組み入れようとする理論として、参照理論(reference theory)に言及されていた。この理論は、ある人が話をして他の人がその結果何かをするのを見るという面では有用な分析となるが、なぜ話し手と書き手がはじめにその語を話したり書いたりしたのか、聞き手や読み手はその語を聞いたり見たりした結果何をするのか、という問題に何も答えていないと批判されている。「語彙目録」や「表象」を用いることは心理主義であり、「語彙目録」の起源については説明していない。 194頁からは、イヌを見たり、イヌについて考えたり、「イヌ」と言ってみたり、しぐさで示したり、「イヌ」と書いてみたりして、いろいろなやり方で振る舞って、聞き手に等価な効果をもたらすことについて本書の立場が表明されている。といっても内的等価性や架空の等価性に依拠するものではない。行動分析学では、刺激等価性は強化履歴の結果として、時間をかけて学習されると考えられている。9月5日の日記で、子どもが言葉を覚え使いこなす際の飛躍的なスピードをうまく説明できるのかと指摘したが、この点に関しては、刺激等価性研究を評価しているように見える。 次回に続く。 |