じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 2019年の年賀状の絵柄は、チョモランマ・ベースキャンプの写真とした。もっとも、私自身は、定年退職を機に、葉書媒体の賀状交換を完全廃止させていただいており、妻と連名で差し出す親戚・知人宛のみを葉書に印刷した。また、年金生活により収入が大幅に減ったため(←チベット旅行の資金はどこから出てきたのかと言われそうだが)、コスト削減の一環として、今回より、カラー印刷からモノクロ印刷に切り替えた。


2018年12月21日(金)



【小さな話題】

羽生永世七冠の竜王失冠

 12月20〜21日に山口県下関市で行われていた将棋・竜王戦七番勝負第7局で、羽生善治竜王(48)が挑戦者の広瀬章人八段(31)に敗れ、竜王の座を失った。羽生永世七冠は、今回の竜王戦に勝てば通算タイトル数100期という前人未到の偉業を成し遂げるはずであったが、逆に敗れたことで、1989年以来の27年にわたって保持してきた1つ以上のタイトルをすべて失い無冠となった。

 広瀬八段が竜王位を奪取したことにより、将棋の8タイトルは、
  • 竜王:広瀬章人 31歳
  • 名人:佐藤天彦 30歳
  • 叡王:高見泰地 25歳
  • 王位:豊島将之 28歳
  • 王座:斎藤慎太郎 25歳
  • 棋王:渡辺明 34歳
  • 王将:久保利明 43歳
  • 棋聖:豊島将之 28歳
となり、タイトル保持者の年齢は、久保王将以外、全員20〜30歳代で占められることになった。

 広瀬・新竜王の活躍については、4年前の2014年10月17日の日記で、

糸谷竜王、広瀬名人、豊島王座、渡辺二冠+αとなることは時間の問題かもしれない。

と予測したことがある。糸谷さんはその後竜王となり、広瀬さんや豊島さんはタイトルの名称は予測と異なっていたもののいずれもタイトル保持者となり、将棋界の世代交代が一気に進んだ感じがする。

 ちなみに、羽生永世七冠はA級順位戦では5勝1敗で、豊島二冠の6戦全勝(12月21日現在)につぐ第2位の好成績となっている(第3位は広瀬・新竜王で4勝1敗)。来年1月以降に、羽生vs豊島や羽生vs広瀬の直接対決が残されているので、ここで羽生永世七冠が一踏ん張りすれば佐藤天彦名人への挑戦者となり、久しぶりの名人復位と通算タイトル数100期を達成する可能性は残されている。とはいえ、この順位戦においても、A級やB級での世代の入れ替わりは確実に進んでいるようだ。




 少し前に、糸谷八段、菅井七段、中村七段(いずれも現時点での段位)がタイトルを獲得した時には若手棋士の活躍を大いに喜んだものだが、今回の広瀬八段による竜王位奪取は複雑な気持ちにならざるをえない。

 羽生永世七冠が若手棋士の挑戦を退けてタイトルを守るということは、年齢はまるっきり違う私のような年寄りにとっても何かしら「まだ頑張れる」という励みになってきたところがあった。今のところ、私自身の思考力、理解力はそれほど衰えていないと思っているのだが、これはたぶん、現役時代に比べて雑用が減り、1つのことに集中的に取り組めるようになったための錯覚にすぎないかもしれない。昨年の今頃、加齢に伴い向上・維持する能力を発掘するというシンポに参加したことがあったが、定年退職以降これまでのところ明らかに向上したと思われる能力は見出せていない。原則はやはり、「補償をともなう選択的最適化」ということになるのだろう。