じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 半田山植物園の中腹から眺める黄金色の大黒天像昨年4月26日の開店からまもなく一周年となる。最近は来店者も増えて、休日は駐車場が満杯になったり、周辺道路で渋滞が起きるほどの賑わい。

2019年4月23日(火)




【小さな話題】「無重力」についての疑問は死ぬまでに解消できるか?

 昨日の日記で「重力」の話題を取り上げたところであるが、「重力」については私自身まだ納得できていない疑問がいくつかある。

 まず、

●地球を周回する宇宙ステーションの内部はなぜ「無重力」なのか?

という疑問である。ちなみに、いま「無重力」と書いたが、どうやら、「無重量状態」というのが正確な表現のようである。

 私が、小中学校の頃に教わったのは、
  • 人工衛星は水平方向に高速で移動する。
  • 移動中、人工衛星は地球の中心方向に落下する。
  • しかし、地球は丸いので、水平に移動することによって地球から離れる距離と、同じ時間帯に落下する距離が等しくなることがある。この場合、見かけ上、人工衛星は円形の軌道を描くことになる。
というような説明であった。

 でもって、

●人工衛星が円形の軌道を回ることになれば、遠心力が働く。この遠心力と地球の引力が釣り合うことで無重量になる。

というのが、私が教わった(と記憶している)説明であった。

 もっとも、私には「遠心力と地球の引力が釣り合う」という意味がよく分からない。運動会の綱引きを見れば分かるように、2つの力が正反対の方向に働けば、綱には綻びて切れるほどの強い力が働く。となると、宇宙飛行士が地球方向に足を向けて立った時、足の先は地球の引力に、頭は遠心力で反対方向に引っ張られて、チューインガムのように引き延ばされてしまうのではないかという疑問が出てくる。

 いつも頼りにしているウィキペディアで無重量状態を調べると、
無重量状態(むじゅうりょう じょうたい)とは、万有引力および遠心力などの慣性力が互いに打ち消しあい、それらの合力が0ないしは0とみなしうる程度に小さくなっている状態。台ばかりで計られるような類の重さ(すなわち重量)が0となっている状態であることから無重量状態と呼ばれる
と記されているが、なぜ正反対に働く力は、綱引きのように引っ張り合うのではなくて、「互いに打ち消しあい、それらの合力が0ないしは0とみなしうる程度に小さく」なるのだろうか? ここが全く分からない。

 JAXAのポータルサイトでは、上記とは少々違った言葉を使った説明があった。
遊園地のフリーフォールではイスや床など、まわりの物が全部重力に引かれて一緒に落ちるため、乗っている人は浮き上がり、あたかも重さがなくなったかのように感じます。これを無重量状態(むじゅうりょうじょうたい)といいます。

この状態は、落ちるから重力が無くなるのではなく、重力に引かれるまま、さからわないので、重力を感じなくなるのです。


 「万有引力および遠心力などの慣性力が互いに打ち消しあい、それらの合力が0ないしは0とみなしうる程度に小さくなっている」という状態でも、「その物体の質量によって生じる時空の歪みが他の物体を引き寄せる作用」が働くのかどうかはよく分からない。

 もう1つ、無重量を実現するために遠心力が必要であるとすると、アポロのような宇宙船が地球から月に向かう途中では、(地球を周回していないので)遠心力は働いておらず、月と地球の重力が宇宙船に働いているようにも思える。この場合、地球と月の重力で正反対に引っ張られることはないのか、スタートレックに出てくるエンタープライズは恒星間移動時は無重量であるが、スピードを変えれば加速度で重力のような力を受けるのではないか、とか、書いていても何だか分からないような疑問ばかりになってきた。

 元の話に戻るが、ISSのような宇宙ステーションが無重量状態になるのは、「常に地球に向かって落下しているから」ということになるのだろうか。でもって、遠心力というのは、「地球に落下しているにもかかわらず高度を一定に保てる」ための原因であって、無重量の原因ではないと考えればよいのだろうか。やっぱり、よく分からないが、死ぬまでにはぜひとも解消しておきたい疑問である。