Copyright(C)長谷川芳典 |
12月12日の夕刻はよく晴れており、12月7日に続いて、京山・金環日食現象が見られた。日没の方位が日々、南側に移動しているため、旧・京山タワーと重なって見える時期はそろろそ終わり。次のチャンスは冬至の10日後あたりになりそうだが、例年、帰省中のため見られない年が多い。
|
【連載】関係反応と #関係フレーム をどう説明するか(48)専門書、入門書で取り上げられている事例(5) 昨日に続いて、 ●ブラックレッジ, J.T. ・モーラン, D.J. 著 木下奈緒子訳 (2009).臨床家のための「関係フレーム理論」入門. こころのりんしょうa・la・carte, 28(1), 87-97 で取り上げられている関係フレームの事例について考えてみることにしたい。 この紹介文の91ページには、
このうち、ネーミングの恣意性については特に疑問は生じない。そのいっぽう、比較反応における恣意性のほうは注意が必要である。 例えば、 ●太郎は花子より年上、桃子は花子より年下 というのは恣意的に確立された関係であるように見える。しかし、もう少し情報が追加されて ●太郎は15歳、花子は10歳、桃子は5歳 となると、年齢というのは、物理的な性質であり、年齢に基づいて、 ●15歳の人は10歳の人より年上、5歳の人は10歳の人より年下 と関連づけることと変わらない可能性がある。つまり、 「太郎>花子、および花子>桃子」ならば「太郎>桃子」 というのは、複合的相互的内包に相当する派生的関係反応であるようにも見えるし、単に、 「太郎は15歳、桃子は5歳」ならば「太郎>桃子」 という、物理的特徴(=年齢)に依存した関係反応である可能性もある。 このあたりは、実験的には統制可能かもしれないが、日常生活場面では手がかりが混在しており、恣意的なのか、非恣意的なのかを区別するのは難しいことが多いかもしれない。 より建設的に言えば、 ●比較反応では、恣意的、非恣意的という厳密な区別は難しい。但し、人間の場合、非恣意的な関係にプラスしてさまざまな恣意的な関係を複合させることができる。臨床的に問題になるのは、その「プラス」した部分である。 と言うことはできるかもしれない。 次回に続く。 |