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OHK本社鉄塔(←私は勝手に「岡山タワー」と呼んでいる)が緑色にライトアップされていた。こちらによれば、「日本中、世界中すべての人が、必要な臓器移植を受けて再び健康を手に入れられることを願い、10月15日(木)から 17日(土)までの3日間、OHK本社送信鉄塔のグリーンライトアップを行う。」という趣旨であるという。なおこの企画は全国約60カ所で同時に実施されているという。 |
【連載】「刺激、操作、機能、条件、要因、文脈」をどう区別するか?(26)セッティング事象とは何か?(12)機能的文脈主義からの概念分析(2) 10月15日に続いて、 武藤崇 (1999).「セッテイング事象」の概念分析一機能的文脈主義の観点から一. 心身障害学研究, 23, 1313-146. についての感想。なおこの論文はつくばリポジトリから無料で閲覧できる。 さて、昨日、 武藤(in press). 機能的文脈主義の来し方行く末:文脈主義によるアプローチ. という展望論文が近く刊行される予定【行動分析学研究】であるという話を取り上げた。現時点では未公刊であるが、伝え聞いたところでは、この論文の中では、文脈という概念がどのような形で行動分析学の中に取り込まれていったのかが論じられているという。徹底的行動主義に対する検証という形で、文脈主義が本格的に登場したのはHayes, Hayes, & Reese (1988)からであるとされているが、じつは1980年代から「文脈」という捉え方が、日常行動をとりまく時間的・空間的な広がりを要約するのに都合のよい用語として使われるようになっていたらしい。この1980年代における検証では、この連載で今まさに取り上げている「セッティング事象」あるいはその分析の枠組みとなる相互行動心理学(interbehavioral psychology)と、行動分析学との対比が議論の1つとなっていた。なお、「interbehavioral psychology」は、園山先生の1992〜1994年頃の論文では「相互行動心理学」と訳されているが、伝え聞いたところでは、その10年ほど前の佐藤方哉先生の学会発表では、「行際心理学」という訳語が使われていた。 佐藤方哉 (1980). 行動分析と行際心理学. 日本心理学会第40回大会発表論文集. なお上記の情報は伝聞によるものであるが、私が初めて日本心理学会の大会に参加したのは1973年、私が学部の3回生の時で、この時は第37回大会であったと記憶している。なので毎年1回ずつ開催となれば1980年の大会は第44回大会になるはず。もっとも、ネットで検索すると、こちらの論文の引用文献表ではやはり第40回大会となっている。当時の論文集は、段ボール箱に入れて保管しているはずなので、土日に調べてみようかと思う。 [※追記]その後、1980年の大会は第44回大会(北海道大学)であることを確認した。但し、この時の発表論文集は見つからなかった。 少々脱線したが、1980年代初め頃の「文脈」概念は、哲学的背景に基づくというよりは、普遍主義や要素主義に対抗する概念として、使用されていたようである【いずれにせよ、武藤(in press)の公刊が待たれるところである】。 さて、元の武藤(1999)に戻るが、機能的文脈主義からの概念分析の根幹は、「セッティング事象という概念が、分析のゴールである「予測と影響」を与えるような言語構成物を生成することに貢献するか否か」ということにある。武藤論文では、これについて、
不定期ながら次回に続く。 |