じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 お年玉付年賀はがきの賞品引換期間が7月20日までとなっているので、最寄りの郵便局まで引き換えに行った。ことしの当選は、妻宛の葉書の中から3等が1枚のみであった。
 私自身は以前から葉書媒体の賀状交換を辞退させていただいており、1枚も差し出していない。受け取った賀状はリフォーム工事や出版社などからの4枚のみであったが当選は無かった。親戚宛や妻の知り合い宛ての賀状は、以前は毎年100枚購入していたが今年から50枚に削減している。受け取った枚数も50枚前後だと思われるが、当選が1枚のみは期待値を下回った。
 ちなみに1等の賞品は「現金30万円または電子マネーギフト31万円」となっているが、当選確率は100万分の1であるため、毎年100枚の賀状を受け取っている人の場合は、1万年に1度の割合で当選すると期待される。なお、宝くじ1等2億円の当選確率は1000万分の1ということだが、毎日1枚ずつ宝くじを購入した場合、2万7397年に1回の割合で当選することになる。私自身はこれまで一度も宝くじを購入したことがない。


2021年7月16日(金)



【連載】ヒューマニエンス 「“睡眠” ヒトは眠りで進化した?」 その3 レム睡眠その2

 昨日に続いて、 6月24日に放送されたNHKヒューマニエンス

「“睡眠” ヒトは眠りで進化した?」

についての備忘録と感想。

 番組では、レム睡眠の役割についていくつかの研究が紹介された。

 まずは、山中章弘先生(名古屋大学)の「レム睡眠中、MCH神経の活動により海馬の記憶が消去される」という研究であり、サイエンスZEROで紹介された内容と同一であった。

Izawa, et al. (2019)  REM sleep-active MCH neurons are involved in forgetting hippocampus-dependent memories. Science, 365, 1308-1313.

 5月14日の日記の一部を再掲すると、
  • マウスにおもちゃのバナナを10分間見せたあと90分睡眠をとらせる。目覚めた後、マウスは、当該のおもちゃのことを忘れていた【おもちゃのことを忘れてしまうと、初めて見たのと同じような、新奇な対象に対する接近反応が起こる】。
  • 上記と同じ条件で、かつ90分間の睡眠中、オプトジェネティクスによりMCH神経の働きを止めると、目覚めた後、マウスは当該のおもちゃを覚えていた【おもちゃのことを覚えていると、新奇な対象に対する接近反応が起こりにくくなる】。
もっとも、この実験研究の解説でイマイチ分からないのは、「レム睡眠中、あまり重要でない記憶は消去され、強い記憶は増幅される。重要でないものと重要なものを選んでいくんじゃないか。」(上田泰己先生)という部分であった。例えば上記のバナナのおもちゃの場合、
  1. バナナは重要であり、かつ安全である。
  2. バナナは重要ではない。無視して構わない。
という2通りの記憶が考えられる。上記の実験で、レム睡眠をとったマウスは、バナナのことを忘れてしまっているので、2.のような記憶が消去されたと思われるが、上記1.のような「安全学習」が行われる可能性はないのだろうか。
 ちなみに、これに類似した現象は、食物摂取に関連した「新奇性恐怖(neophobia)」としても観察できる。いっぱんに雑食性の動物は、今まで食べたことのない食物を警戒し、全く手に取らないか、ほんの少しだけ食べるが、繰り返し摂取するうちに次第に摂取量を増加させる。このプロセスを「特定食物に対する安全学習」として捉えるのか、それとも、新奇性恐怖の消失として捉えるのかは、実験条件を変えることで区別できる。このあたりは、私が大学院生の頃に取り組んだ課題であった。

 次回に続く。