Copyright(C)長谷川芳典 |
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桜の幹に掴まっているキマダラカメムシの写真を撮っていたところ、撮影時は老眼で気づかなかったが、撮影後に写真をチェックしたところ、その中に、見慣れない生物が写っていたことに気づいた。ネットで検索したところ、ワラジムシであると判明。地上を動き回るダンゴムシとは異なり、少なくとも1.5メートルの高さまでは木登りができるようであった【木登りをしているのは、長雨で湿気が多いためかもしれない】。何を食べようとしているのだろうか。 ワラジムシを接写したのは今回が初めてであるが、カンブリア紀からタイムスリップしてきたような太古の風貌があり、威厳すら感じられる。 |
【連載】#チコちゃんに叱られる!「ブドウの白い粉」「消せるボールペン」 昨日に続いて、8月13日(金)に初回放送された、NHK「チコちゃんに叱られる!』の感想と考察。 本日は、
まず、ブドウに付いている白い粉の正体は、「ブルーム」という天然の蝋であると説明された。蝋が作られるポイントは、クチクラと呼ばれる膜にある。クチクラは多くの植物に存在し、水分の蒸発や病気を予防する働きをしており、クチンと蝋でできている【ウィキペディアの説明では、2種類のポリマーのうちの1つ、もう1つはクタンであると説明されていた】。実が大きくなるにつれて蝋物質が増え、あふれ出たものがブルームとなる。ブルームがあることで水がはじかれ中の鮮度が保たれる。番組の実験によれば、ブドウのブルームを拭き取った粒と拭き取らない粒を比較すると、一週間後、拭き取ったほうは水分が蒸発して萎んでしまうことが示された。自然にできたブルームは無害であるという。 ブルームは、ぶどう以外、例えばブロッコリーやキュウリにも付いているが、農薬と勘違いされるため、いまスーパーで売られているキュウリはほぼ100%が「ブルームレス」キュウリになっているという。番組では、担当ディレクターが実際にキュウリを育ててブルームができることを実証していた。そう言えば、私自身も昔、キュウリを育てたことがあるが、ついていた白い粉は、うどんこ病かと思ってよく洗い落とした記憶がある。 次の3.の「消せるボールペン」は、私自身は一度も使ったことが無く、どのくらい消えるのかを体験したことがないが、確か、妻が孫たちへのプレゼントとして買っていた記憶がある。 消せるボールペンの仕組は、A:発色剤、B:発色させる成分、C:変色温度調整剤、という3種類を含んだマイクロカプセルからできており、Aは無色だがBと結びつくと発色、それが一定の温度を超えるとCの働きで色が消える、温度が下がるとまた発色、ように設計されているという。 この「色が消える」原理は、今から半世紀ほど前に発見されていたが、消せるボールペンが商品化されるまでには30年以上の道のりがあったという。 番組で構成された「チコジェクトX」によれば、1970年、ある筆記具メーカー(←パイロットであることは見え見え)の研究者が、紅葉した山を見て、温度の変化で色が変わるインクを開発。しかし、インクとしては色が薄かったり、カプセルが弱いなどの欠点があり、筆記具としては商品化できなかった。開発当初は、「冷たい飲み物を注ぐと枯れ木に花が咲く紙コップ」、同じく「ガラスのコップ」、「食材の色が変わるおもちゃの調理器」などで応用された。 その後1988年、いちど色が変わると温度が下がってもその色がキープされる技術が開発された。すると、アメリカのメーカーから「メーキャップ人形」の依頼が来た。この人形では、水で冷やしたスポンジを人形の唇や目にあてると口紅やアイシャドーが浮き上がる。熱いタオルで温めると色が消えてすっぴんに戻るというカラクリであり、ものすごく売れたという。 2001年、会社は、「色が変わるインクを筆記具に使う」という方針を発表。そして2002年には黒色が赤色に変化する「こすると色が変わるボールペン」を発売したが、実用性に乏しく、期待したほどの売り上げにはならなかった。 その後、フランスのグループ会社社長のマルセル・ランジャールが来日し、「黒い文字が赤になるのではなく、黒が透明になるインク」を提案。このインクは、鉛筆ではなくボールペン・万年筆を使って勉強しているヨーロッパで需要があると判断された。その後、ヨーロッパの環境で実用化するため、「65℃(←力の弱い子どもや女性が擦った時に出せる温度)で消え、マイナス20℃で色が戻る(←普通の温度では消えたまま)」という設定がなされ、2006年にヨーロッパ、2007年に日本で販売され大いに売れた。2019年時点では、世界累計の販売本数は30億本が売れているという。なお、この筆記具は、証書類や宛名などには使用しないでくださいという注意書きがついているという。 私自身は最近はもっぱらキーボードで入力をしているため、筆記具を使うという機会はそれこそ1カ月に1回あるかないか、となっている。実際に使うとしたらどんな場面があるだろうか、少し考えてみた。
次回に続く。 |