じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 楽天版に、8月19日の日没直前に出現した虹の写真を掲載した。まさか?とは思ったが、翌日の8月20日の日没直前にも同じ位置に虹の一部(左下のつけね近くの部分)が出現し、7色(6色)から「ほぼ赤一色」に変化し、日没(18時47分)とともに光りを失い、夕日に染まった雲と区別がつかなくなって消えていった。
 それにしても、日没の時間帯に2日連続で虹が見られるとは...。虹は幸運をもたらすと言われているが、気象学的には天候不順の表れであるとも言える。じっさい岡山では8月12日から20日まで9日連続で降水を記録しており、日本の天気はいったいどうなっているの?と不安さえ感じるほどだ。


2021年8月21日(土)



【連載】世界四大化計画:「世界三大神秘湖」と水月湖

 8月16日の夜、NHK総合で、

世界四大化計画〜Mr.ザッハトルテの野望〜

という番組が放送された。聞き慣れないタイトルであるが、リンク先のような専用ページが新設されたことからみて、単発物ではなく、レギュラー番組化を目ざしているものと思われる。

 番組の趣旨は、すでに広く知られている「世界三大○○」をざっと紹介した上で、番組の「諜報部員」がそれらに並ぶほどの価値をもった四つ目を探し出し、四大化をめざす。四大化に採用されるかどうかは、評議員6名の多数決(4票以上)によって決せられるという内容。

 今回は1回目ということであったが、この構想はなかなかうまく練られているように思った。世界各地の絶景とか、歴史上の取組などは、たいがい、すでに多くの教養バラエティー番組で紹介されており、個別に紹介しても目新しさは感じられない。しかし、まず「世界三大○○」を挙げた上で、それに匹敵する価値があるかどうかを判定するということになれば、視聴者も、その4番目に価値があるかどうかということよりも、「世界三大○○」と比較してどこが勝っているかどこが物足りないかということに関心を向けるようになり、「なんだ、大したことなかったなあ」とガッカリすることも少なくなる。しかも、「世界三大」は、ウィキペディア掲載の一覧だけでもおびただしい数に上っており、レギュラー番組化してもネタ切れになることはまずないと考えられる。

 さて、第1回で取り上げられたのは、
  1. 世界三大神秘湖
  2. 世界を1つにした三大発明
  3. 世界三大無謀な計画
という3つの「三大」であった。

 1.の世界三大神秘湖では、ロシアのバイカル湖、ボリビアのウユニ塩湖、ベネズエラのマラカイボ湖が挙げられていた。このうち、バイカル湖は1979年、ウユニ塩湖は2004年に、実際に訪れたことがあり、「三大神秘湖」にふさわしい魅力を備えていることは確かだと思う。但し、ウユニ塩湖は学術的には「塩原」であり、湖の状態になるのは雨季だけであったはずだ。ベネズエラのマラカイボ湖は年間200日以上の稲妻が観測され世界で最も稲妻が多い湖としてギネス世界記録に登録されているというが、景観上、神秘的な絶景として三大神秘湖の1つに含めることができるかどうかについては異論があるように思う。
 自分自身の旅行体験だけに限っても、世界各地にはチチカカ湖フブスグル湖【←リンク調整中】、プリトヴィッチェ青海湖チベット高原のいろいろな湖などのように、美しく神秘的な湖が多数あり、その中から「世界三大神秘湖」を選ぶというのは本来無謀かつ無意味であるようにも思う。

 さて、番組で「世界四大」の追加候補に挙げられたのは、福井県の水月湖であった。聞き慣れない湖名であり、どこにあるのかも思い浮かばなかったが、三方五湖の中の最大の湖であり、年縞で知られているという。湖底への堆積はどの湖でも起こるが、リンク先によれば、水月湖の場合は、
  • 水深が深く湖内に直接流れ込む大きな河川がなく、その流入などで湖底の堆積物がかき乱されることがないため、年縞が1枚ずつきれいに積み重なっている状態が保たれている。
  • 湖底に酸素が乏しく生物がほとんど生息しないことで、年縞がありのまま残っている。
  • 湖周辺の断層の影響で、湖の底面が低下する沈降現象が続いており、湖底に毎年堆積物が積もっても、湖が埋まらないという特異な条件が揃っている。
といった好条件が揃っており、地質学的年代決定での事実上の世界標準となった、というからスゴいことだ。番組では賛成が3票であたっため「不採択」となったが、これはあくまでバラエティー番組としての話。こんな奇跡の湖が存在しているということは全く知らなかった(というか、私が地学の部活動をしていた中学時代(1965〜1968年)には、まだそんな話は出ていなかった。1971年3月の大学入試の地学の問題にも出題されることはなかった。)

 元の話題に戻るが、この水月湖は、「世界の神秘湖」とか「世界ふしぎ発見!」という形で取り上げても、地味すぎて視聴者にインパクトを与えることはたぶんできない。そういう意味で「世界三大神秘湖」と比較する中で価値を見出すという演出効果がうまく働いていたと感じた。

 次回に続く。