じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 12月19日の明け方、北西の空に14.6の月が沈む様子を眺めることができた。今回は、
  • 12月19日の13時36分に満月
  • 12月18日の11時15分に最遠
  • 12月20日の13時34分に赤緯が最北
となっており、最も小さく、最も北寄りに沈む満月ということが言える。
 ちなみに、この最小の月は「マイクロムーン」と呼ばれることがあるというが、丸い月を「O」に見立てると、「O-Micro」、すなわち「Omicron(オミクロン)」に通じるところがあるのが気になるところだ。


2021年12月19日(日)



【連載】チコちゃんに叱られる!「ストラディバリウスが高価な理由」「唐揚げが鶏肉ばかりの理由」

 12月17日に放送された表記の番組についての感想と考察。本日は、
  1. かゆいってなに?
  2. ストラディバリウスが高いのはなぜ?
  3. から揚げといえば鶏肉ばかりなのはなぜ?
という3つの疑問のうち残りの2.と3.について考察する。

 まず、2.のストラディバリウスが高価である理由は「300年たった今でも再現できないから」と説明された。
 ストラディバリウスはイタリアの天才楽器職人のアントニオ・ストラディヴァリが作った楽器であり、生涯で1000以上のバイオリンを製作し、うち約500が現存するという。なおウィキペディアでは、「ストラディバリ父子はヴァイオリンやヴィオラやチェロ、マンドリン、ギターなど約1100-1300挺の楽器を製作したとされ、約600挺が現存する。 」と記されているが、この数はバイオリン以外の楽器を含むものと思われる。またストラディバリ父子というのは、父がアントニオ、子がフランチェスコとオモボノであり合計3人となるが、「特にアントニオ・ストラディバリが17世紀〜18世紀にかけて製作した弦楽器が有名である」と記されていた。

 ストラディバリウスが高価であるのは単に骨董品的な希少価値によるものかと思っていたが、番組によれば、
  • ストラディバリウスの楽器は約300年前の小氷河期の樹木で作られた。小氷河期は夏と冬の気温差が小さいため木材の成長速度が一定になっている。なので、現在の木材では作りにくい。
  • 現代のバイオリンの板の厚さは約3ミリだが、ストラディバリウスは約2ミリと薄くなっている。板を薄くすると音色はいいが、表板が弦に引っ張られて変形するリスクがある。この変形を防ぐ技術は現在でも再現困難となっている。
という特徴があるという。
 番組では、解説者のバイオリン職人が苦心して再現したバイオリンと、ホンモノのストラディバリウスの聞き比べ実験が行われていた。制作者ご本人のほか、バイオリニストや、幼少時からバイオリンを習っていたカンニング竹山さんが、両方のバイオリンの演奏を聞き比べたところ、3人ともホンモノのストラディバリウスの音色を聴き当てることができた。

 私自身は音楽には無縁の生活をしており、音の違いには鈍感であるが、キーキーという摩擦音が混じった下手な演奏だけはお断りである。以前、ちょうどこのクリスマスの時期に、職場でクリスマスコンサートつきの昼食会企画があったので聴きに行ったことがあるが、バイオリン奏者(部活動の部員)の演奏があまりにも下手で、真剣に演奏している点は評価できるとしても、聴くに堪えない音であったことが記憶に残っている。




 最後の4.の唐揚げの疑問であるが、番組では、「鶏肉は3つの理由で奇跡の肉だから」と説明された。有原先生(北里大学)によれば、鶏肉は豚肉や牛肉と比べて
  1. コラーゲンが少ない(1グラムあたりのコラーゲンは、鶏肉5.2ミリグラム、豚肉9.3ミリグラム、牛肉22.4ミリグラム)。筋肉に含まれるコラーゲンは65℃以上で加熱すると縮むため肉が硬くなってしまうが、鶏肉はコラーゲンが少ないため、唐揚げにしても硬くなりにくい。
  2. 水分量が多い(調理前の生肉100グラムに含まれる水分量は、鶏肉81.7グラム、豚肉75.6グラム、牛肉70.8グラム)。鶏肉は油で揚げても水分が逃げないためいちばんジューシー。
  3. 鶏肉の油が溶ける温度は30℃〜32℃であるため(豚肉は35℃〜40℃、牛肉は45℃〜50℃)、冷めてしまっても口の中に入れると溶ける。唾液によって分解された脂肪酸を舌が感知すると「おいしい」と感じる。
というように、唐揚げにした時に「やわらかい」「ジューシー」「冷めてもおいしい」という3拍子の特徴があるという。

 なお、唐揚げ、フライ、天ぷら、カツの違いについては各種雑学系番組でも時たま取り上げられている(カツとフライの違いについては2019年10月24日の日記参照)。こちらのサイトによれば、
  • 『フライ』は、食材に、卵、パン粉等をつけて、油で揚げたもので、『カツ』とも呼ばれています。パン粉のおかげで、表面がパリパリしています。
  • 『天ぷら』は、食材に、卵、冷水、小麦粉(薄力粉)等をつけて、油で揚げたものです。小麦粉のおかげで、表面はサクサク、具はジュワっとしています。
  • 『唐揚げ』は、食材に、下味をつけて、小麦粉(薄力粉)または片栗粉を薄く塗し、油で揚げたものです。表面はカリっとしています。
と区別されていた。いっぽう、こちらのサイトでは、
  • 【から揚げ】主に「小麦粉や片栗粉」を付けて揚げる(下味は付けても付けなくても)
  • 【竜田揚げ】「醤油、みりん」で下味を付け、「片栗粉」をまぶして揚げる
  • 【天ぷら】「小麦粉、卵、水」を合わせたものを付けて揚げる
  • 【フライ・カツレツ】「(小麦粉)、卵、パン粉」を付けて揚げる
    • 食材が魚介類、野菜など→「フライ」
    • 食材が肉類→「カツレツ」
と区別されており、微妙な違いがあるようにも見える。

 なお私は、唐揚げはあまり好きではない。学生時代からそうだったが、生協食堂などでは、豚肉や牛肉よりもコストの安い鶏肉ばかりが提供されることがあり、ウンザリしたためと思われる。最近、どこぞの健康番組の影響か、妻が鶏肉ばかり買ってくるので食欲が出ない。(例外的に、親子丼と焼き鳥は嫌いではないが)。