じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 各種報道によれば、ニューヨーク原油市場では原油価格の上昇傾向が続いており、2月3日には国際的な指標となるWTIの先物価格が、一時、1バレル=90ドル台まで上昇た。1バレル=90ドル台となるのは2014年10月以来、およそ7年4か月ぶりであるという。またこうした情勢のもとでガソリン価格も上昇しており、石油情報センターによれば、1月31日時点のレギュラーガソリンの小売価格は全国平均で1リットル当たり170.9円で、先週より0.7円値上がりしているという。
 そんななか、2月2日夕刻のNHKローカル番組によれば、47都道府県の中でガソリン価格が最も安いのは、なっなんと岡山県であり全国平均より5円近く安いという。
 放送によれば、岡山県が最も安い理由としては、
  1. 製油所が近くにある
  2. 交通の要衝である
  3. ガソリンスタンド間の競争が活発である
といった点が挙げられているというが【石油情報センター】、もしその通りであるなら、岡山県は過去何十年にもわたってガソリン価格が最安であったはず。私の経験では、岡山より福岡県、兵庫県のほうが安い時もあり、上掲の理由だけでは説明できないように思われる。


2022年2月4日(金)



【小さな話題】令和の寺子屋「生命って何だろう 生物学者・福岡伸一」その4 全ての生物はなぜ死ぬか(1)

 昨日に続いて、NHK-Eテレで1月30日の16:15〜17:00に放送された表記の番組についての感想。

 この寺子屋はどうやら2日間の日程であり、講義の1日目は、

●【原子や分子が常に入れ替わっていることから分かるように】体は常にリニューアルして、体のあらゆる部分が作り替えられているにもかかわらず、どうして最後は死んでしまわないといけないのか。

 という宿題で終了した。いつもリニューアルされているからいつまでも生きられるように思えるが、でもなぜか全ての生物は寿命があり必ず死んでしまう。なぜ全ての生物に必ず死がやってくるのだろうか。

 このことについては、いくつかのアイデアが示された。まず参加者の1人が家の中でお母さんと一緒に考えた時には、
  • (1)歳をとると、リニューアルがうまくできなくなっていく。
  • (2)だんだん設計図が間違っていく【参加者のお母さんのアイデア】
  • (3)水分がだんだんなくなっていく。
  • (4)皮膚の代謝が悪くなっていく。
といった内容、また、翌日の会場では、以下のようなアイデアが示された(「→」の部分は福岡先生の説明)
  • (5)脳がだんだん衰えてきて命令できなくなるため。→脳が無くても生きている生物もあるがそういう生物でも寿命がある。
  • (6)入れ替わるスピートが遅くなるし、入れ替わるうちに水分が無くなってくる。→我々の体は合成と分解を繰り返しているが、水に溶けないと繰り返しは行われない。なので水分が減っていくことと老化には繋がりがある。
  • (7)鉄が酸素と結びついて錆びるように、人間も空気を取り入れることで死ぬ。→地球上のすべてのものは酸化されていって機能を失う。人間も少しずつ酸化され、その先に死がある。
  • (8)入れ替わりの際、細胞が作られるスピードよりも死ぬスピートのほうが速い→福岡先生の話に発展。


 ここから先は私の考えになるが、まず、生物が必ず死ぬということに関して、無性生殖をするゾウリムシは、環境悪化などの事故が無ければ永久に死なないという話を小学生の頃に聞いたことがあった。しかしこちらの記事によれば、
今からちょうど50年前の1954年、米国のソネボーンという研究者がゾウリムシの1匹が分裂して2匹になったら、それぞれ分けて1匹ずつ別の容器に入れ、その次分裂したらまた分けて、と繰り返して絶対に接合しないようにしてやったところ、約350回分裂したところでそれ以上分裂しなくなり、やがて死にました(当時、アポトーシスかネクローシスか、という考え方はありませんでしたが、今見直すとアポトーシス的です)。
つまり単細胞生物にも寿命はあるのです。 いいかたを変えると1匹のゾウリムシから出発した「姉妹細胞の集団」を一まとまりに考えると、有性生殖をしないかぎり寿命が来て死にます。
とのことである。じっさいウィキペディアにも、
無性生殖は分裂による。他の繊毛虫同様、体軸方向の前後の部分に分かれるようにして分裂する。有性生殖としては細胞の接合が行われるが、その方法はやや特殊である。接合に先立ち、大核が消失するとともに生殖核である小核が減数分裂を行い、4つの核に分かれる。このうち3つは消失し、残った1つがさらに2つに分裂し、このうち1つの核を互いに交換する。その後、それぞれの細胞内の2核が融合することで接合は完了する。この間、2個体のゾウリムシは互いに同一方向を向いて寄り添うが、細胞間に連絡を持つだけで細胞そのものの融合は行われない。なお、接合後に大核は小核を元に改めて形成される。
と説明されており、やはり、地球上に存続し続けるには有性生殖が不可欠であるようだ。

 上記の引用の中でも言及されているが、多細胞生物では、アポトーシスネクローシスというように、細胞レベルでいくつかの死に方がある。また、細胞が分裂するたびにカウンターが増えていき、有限の回数に達すると分裂できなくなる仕組みも備わっている(有性生殖が行われればカウンターはリセットされる)。なので、地球上に生物が存在しているということと、生物は必ず死ぬということは表裏一体と考えるべき、というのが私の宿題への答案になるかと思う。なお、科学がさらに発展すれば、人為的にはカウンターを巻き戻すこともできそうだが、おそらくそうなると、癌の塊のようになってしまって最後は自己崩壊してしまうものと思われる。

 なお、死についてはヒューマニエンスでも取り上げられていたが、
  • 「古い個体」を無理に生かすより、「新しい個体」をつくる方が効率的。
  • 地球のような変化の激しい環境のもとでは、多様性を産み出せるような生殖システムをもった種のほうが結果として繁殖しやすかった。
という流れの中で、個体の死の必然性を論じるのが妥当ではないかと思われる。

 次回に続く。