Copyright(C)長谷川芳典 |
|
4月10日(日)の午前中、NHK杯将棋トーナメントの対局が終わったところでチャンネルを切り替えたところ、NHK総合の「どーも、NHK」という番組で、新年度から導入されたというUDフォント(ユニバーサルデザイン書体)と、色を見分けにくい人に配慮した気象情報画面が紹介されていた。
|
【連載】チコちゃんに叱られる!「六曜のウソホント」「揺るぎないこだわり」 4月8日に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
まず3.の六曜が書かれている理由については、放送では「“ヤミカレンダー”が作られたから」と説明された。 下村育世先生(一橋大学)によれば、江戸時代のカレンダーには詳細な占いが記されていたが、その中で六曜はマイナーな存在に過ぎなかった。じっさい1864年の伊勢暦には3種類5つの占いが書かれており、「結婚、旅行、井戸掘り、薬の飲み始め、種まきは吉、衣類裁断、お見合い、土の掘り起こし、葬儀、樹木を切る行為は凶」というように細々とした日常生活行動について吉や凶が割り当てられていた。そのいっぽう、六曜はシンプルなため、また占いとしては新しかったため好まれておらず、当時の暦にも記載されていなかったという。ところが明治に入ると、太陽暦への改暦が行われ、それと同時に、科学的根拠がない吉凶をカレンダーに掲載することが禁止された。しかし人々の間では長年の占いに頼って生活を変えきれず、取締の目をかいくぐり、占いの載った“ヤミカレンダー”が作られるようになった。そのヤミカレンダーに、それまでマイナーであった六曜が載せられるようになり広まっていった。政府によるカレンダーの規制は1873年から終戦まで続き、戦後になってようやくカレンダーの発行が自由化された。戦後は人々の生活が近代化して占いに頼って行動を決めることは無くなってきたが、六曜だけは、
ところで、放送によれば、六曜はそのひ全体の吉凶ではなく、時間帯による吉凶を特徴づけるものであり、
六曜のインチキさや矛盾については、このWeb日記の執筆を開始した頃に何度か取り上げており、当時私が担当していた「行動科学概論」などの教養科目では、クリティカルシンキングの一環とし取り上げたことがあった。ざっと検索してみると、
昨年の授業で実施したアンケートによれば、「六曜」が「人間の行動の予測や理解に役立つと思う」と考える人の比率は、岡大文学部、医学部、歯学部の学生でそれぞれ、4.8%、5.3%、9.8%、非常勤講師をやっているS短大では16.9%に達している。「血液型性格判断」が「役立つと思う」比率は、順に30.2%、21.1%、45.1%、72.3%であるから、それに比べればマシなほうかもしれない。と記したように、当時の若者の間では六曜はマイナーな占いになっていたおり、じきに廃れると思っていたが、あれから四半世紀経った今でも、多くのカレンダーに残っているというのはまことに意外である。おそらく、 ●自分自身では六曜は全く信じていないが、自分が幹事となって歓迎会や祝典などの日取りを決める際には、六曜を気にする人が含まれていることに配慮して大安や友引の日を指定する。そうすることで、何かトラブルが起こっても幹事がとがめられることは少ない。 という事なかれ主義によるものと思われる。 最後の4.の「揺るぎないこだわり」は「ひだまりの縁側で・・・」で視聴者の皆さんからのお手紙として紹介されたものであり、
私自身もいくつかこだわりがあり、またこだわりを止めたものもある。思いつくままに挙げてみると、
|