じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 7月17日の日記に、蜂を捕食しているシオヤアブのメスの写真を掲載したが、その後、オスの写真を撮ることができた。メスよりもやや小型で、腹部先端に白い毛が密集しているのが特徴。白い毛がどのように機能しているのかは未確認。


2022年7月19日(火)



【連載】無理数をn乗して有理数になる場合と超越数

 昨日に続いて、鈴木貫太郎さんのYouTubeに関連した数学の話題。今回は、「無理数or有理数」繋がりで、

xが無理数なら、x2、x3の少なくとも一方は無理数であることを示せ

という問題について考察する。

 この問題については、鈴木貫太郎さんの別の動画で解法が示されたが、その後ミスが指摘され、上掲の動画はその訂正バージョンとなっている。また、当初提示された解法よりももっと簡単に解く方法があることも解説された。

 その簡単な方法というのは、
  • x2とx3が両方とも有理数であったと仮定すると
    x2=b/a
    x3=q/p
    と表すことができる(a、b、p、qは互いに素)。
  • x≠0なので、
    x3/x2=x=(q/p)・(b/a)=qb/paとなりxが無理数であるという前提に反するので、x2とx3が両方とも有理数になることはない。
というものであり、あっさりと証明された。

 xが無理数であってx2が有理数になる例としてはxが平方根という場合がある。一般にx(X>1)がn乗根であれば、xが無理数でありxnは有理数となる。この範囲の無理数は、整数から四則演算と冪根をとる操作だけを有限回組み合わせることで作ることができる(有理数係数の代数方程式の解になる)。いっぽう円周率やネイピア数はそのような解にならない。

 超越数の和や積が超越数(あるいは無理数)になるかどうかは単純には判別できな。ウィキペディアによれば、じっさい、

e±π、eπ、π/e、ππ、ee、πe、π√2、eπ2

などのたいていの和、積、冪乗は、有理数であるのか無理数であるのか、あるいは超越数であるのか否かは証明されていないという。
 興味深いのは、e±πのうち少なくとも一方は超越数であることが分かっていること、また、より複雑に見える、

π+eπ、πeπ、eπ√n(nは正の整数)

は超越的であると証明されていることだ。このほかウィキペディアには、フィボナッチ数の逆数和が一時期超越数であると勘違いされていて後に、(5-√5)/2という単純な代数的数として判明した例が紹介されていた【こちら】。

 不定期ながら次回に続く。