じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 津山線沿いの柵に繁茂するイシミカワ。ウィキペディアによれば
7-10月に薄緑色の花が短穂状に咲く。花後につく5mmほどの果実は熟して鮮やかな藍色となり、丸い皿状の苞葉に盛られたような外観となる。
この藍色に見えるのは実際には厚みを増し、多肉化した萼で、それに包まれて、中にはつやのある黒色の固い痩果がある。つまり、真の果実は痩果なのだが、付属する器官も含めた散布体全体としては、鳥などについばまれて種子散布が起こる漿果のような形態をとっていることになる。
と記されており、赤紫や藍色の部分は果実そのものでは無いようだ。

2022年7月27日(水)



【連載】チコちゃんに叱られる!「医学博士 元東大病院医師」による「夏休みの宿題がギリギリになるのはなぜ?」についての胡散臭い説明を検証せずに放送したNHKを批判する(4)

 昨日に続いて、7月22日に初回放送された表記の番組についての感想・考察。

 昨日の日記で、夏休みの宿題を先延ばししないためには「日々の宿題行動を適切に強化する」ことが重要であると述べた。これは行動分析学の原理に基づくものであり、日々の宿題行動に対して適切な大きさの好子を適切な頻度で随伴させることが基本となる。但し、以下のような点に留意する必要がある。
  • 宿題行動に随伴させる好子は、ドリルの得点を反映したポイント獲得でもよいが、本人にとって何が好子であるのかを見極める必要がある。これには個体差があるため、別の人にとって好子であるからといってそれを機械的・画一的に適用するわけにはいかない。
  • 読書、絵画、演奏などにかかわる行動は、行動内在的な結果ですでに強化されている場合がある。その場合は、別の好子をわざわざ付加する必要はなく、それよりも当該の行動を可能にするような機会(場所、時間)をきっちり確保するよう、日々のスケジュール管理をすることが必要。
  • 日々の宿題行動を個別に強化するのではなく、他のすべての日常生活行動と連携させ、規則的でバランスのとれた生活ができるように巨視的な視点から調整をする必要がある。
 いくら「宿題行動を強化すれば良い」と言っても、毎日、大半の時間を部屋に閉じこもって宿題ばかりやっている状態では健全な夏休みとは言えない。宿題が望ましい行動であるのと同様、遊びもまた望ましい行動であり、全体のバランスが重要。これは夏休みを過ごす子どもたちばかりでなく、高齢者の日々の生活についても言える。

 以上指摘した点にも含まれているが、バランスのとれた日常生活を送るためには、起床、食事、勉強(仕事)、休憩、趣味、就寝といった1日のスケジュールは可能な限り規則的にこなしていくことが望ましい。「規則的」というとストイックで堅苦しい生活スタイルのように思われがちだが、日々その日に思いついたことを実行するという「気まま」な生活に比べると、遙かに意義深い1日を過ごすことができる。生活が不規則であればあるほど、何をするか、それとも止めようかと迷ってしまい、気がついたら1日が終わってしまったということになる。もちろん、毎年、一週間程度の休みをとって日常と異なる体験(旅行、山ごもりなど)をすることは別に必要であるとは思うが、1年の大半は規則的であるほうがよい。多少面倒に感じるような行動(例えば歯磨き、掃除、整理など)であっても、規則的な行動連鎖の中に組み込まれていれば、別段個別に強化されなくても自動的に遂行される。

 なおM博士が提唱した対策の中に、

●宿題が終わったらプールに行く」というように、宿題のあとに楽しい予定を入れておくと、やる気が出て宿題もはかどる。

というのがあったが、これはプレマックの原理と呼ばれるものであり、同じ規則的な生活といっても「プールに行ってから宿題をする」よりは「宿題を終えたらプールに行く」のほうが実行されやすく、かつ長続きしやすい可能性を示している。プレマックの原理自体は、「低頻度の行動A」から「高頻度の行動B」への移行に遅延があり、しかも、「低頻度の行動A」をそのつど強化しているわけではないので、どうやら「強化の原理」ではなく、動機づけの原理として機能しているのではないかと思われるが、いずれにせよ、規則的な生活設計においては、高頻度に起こりやすい行動(=「楽しい」行動)の前に、なかなか起こりにくい行動(=「面倒で先延ばししたくなるような行動』)を配置したほうが望ましいことは間違いない。