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7月30日夕刻と7月31日早朝に虹のような柱が出現した。
ということで、岡山で日の入り前と日の出後に連続してこの現象が見られたのは初めて。(同じ日に3回虹を見たのはこちら。) なお、7月30日深夜から7月31日早朝のあいだに長征五号B(CZ-5B)ロケットの第1段(53240/2022-085B)が日本に落下する可能性があり心配されたが、最新情報では落下地点は東経113度、北緯3.4度あたりと推定されている。ロケットの落下と虹の出現は関係なさそう。 |
【連載】チコちゃんに叱られる!「烏」が「鳥」より一本少ない理由/隅田川と墨田区/企鵝 7月30日に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この回は、
阿辻哲次さん(京都大学名誉教授・日本漢字学会会長)によれば、私たちが当たり前のように目にしている漢字は約3300年以上前に中国で誕生した。古代中国では、神と交信できる権力者のみが使っていたが(甲骨文字)が使われていたが、その後文明が発達するにしたがい色々な人たちが使えるように形が整えられていった。 「鳥」という文字は、現存最古の甲骨文字では、鳥のくちばし、目、翼、尾、脚の部分で鳥の形を表しており、今の漢字に対応している。いっぽうカラスは全身が真っ黒であるため目がどこにあるか分からない。なので、「鳥」という漢字のうち目を意味する横線1本が除かれて烏という漢字になった。じっさい、18世紀に書かれた漢字の成り立ちを説明した文献でも、 ●鳥字點晴 烏則不以純黒故 不見其晴也 (「鳥」という字は、瞳が点で作られているが、「烏」についていないのは、純黒で、瞳が見えないからである。※DeepLではうまく翻訳できなかった) と記されている。もっともこれは必ずしも証拠にはならないように思う。単に18世紀の学者が一般に流布している俗説に基づいてそのように説明した可能性があるからだ。ま、そうは言っても、「鳥」の漢字の目を表す横線が欠落して「烏」になったというのは、かなり説得力がある。 余談だが、日本で見られる一般的なカラスは確かに羽も目も真っ黒で目の位置が分かりにくいが、チコちゃんに登場するキョエちゃんは、白目の比率が大きく視線が分かるようになっている。この白目の役割については「なんで人間には白目があるの?」(2020年11月23日の日記参照)で取り上げられている。 今回は「カラス」が取り上げられていたが、人文字で表せる鳥としては、他に、「鳩」、「雀」、「鶏」、「鶯」、「雉」などあり、こちらには全部で94種類が挙げられている。当分、ネタギレにはなりそうもない。 ここからは1.に関連した3つの話題について。 まずは、解答者が正解を出してしまっために罰ゲームとして行われた「すみだがわ」の書き取りテストについて。私自身は「隅」であると覚えていて正解であったが、このことで、「墨田区」の「すみ」は、「隅」ではなく「墨」になっていることに気づいた。ウィキペディアによれば、墨田区の区名の由来は、 区名は、隅田川の堤の通称「墨堤」から墨を、隅田川から田を採った。なお「墨田」の表記自体は、隅田川の古い別表記のひとつでもある。その他の候補には、「隅田区」「吾妻区」「隅田川区」「江東区」などがあった。と記されており、そこからのリンク先には、1947年の新区名決定の際にはいくつかの区で区名をめぐって議会が紛糾し、「隅田区」という名称は、台東区でも候補に挙がっていたこと、「墨田区」については「隅田区」、「墨田区」、「吾妻区」、「隅田川区」、「江東区」が投票候補に挙がっていたことが記されていた。 次に、「企画」の「企」の由来だが、そもそも「止」は足跡の形をしており、その上は「人」を示す。このことから、「企」は本来は「つま先で立って遠くを眺める」を表しており、そこから「企画」や「企てる」は先のことを表す意味となった。 ちなみに中国では、ペンギンは「つま先で立つガチョウ」という意味で「企鵝」と呼ばれている。 このほか放送では、難読漢字「飆(つむじかぜ)」、「毳毳(けばけば)」、「盥(たらい)」という難読漢字が紹介された。 次回に続く。 |