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【連載】チコちゃんに叱られる!『一輪車』『逆位相によるノイズキャンセリング』 昨日に続いて、4月7日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
まず2.の一輪車だが、放送では「バランスの悪い二輪車が危なかったから」と説明された。
放送ではさらに55歳の番組最年長ディレクターが72時間で一輪車に乗れるかどうかという訓練を行ったが、自走できるレベルには到達できなかった。 ここからは私の感想・考察になるが、私自身は一輪車が小学校に導入されるより遙か昔の世代であり、全く乗ることができない。一輪車はサーカスの曲芸で何度か見たが、スゴいことができるものだと感心していた。いっぽう私の子どもたちの世代では一輪車の練習が行われており、我が家でも購入した記憶がある。 ウィキペディアによれば、一輪車を利用した各種競技としては、スピードを争うレース部門、演技部門、一輪車ホッケー、一輪車バスケットボール、一輪車トライアルがあるという。オリンピックの種目にしてもいいのではないかと思うが、そもそも一輪車に乗れる人が少ないことから競技人口も限定されているのだろう。 次の3.の「ノイズキャンセリング」の原理であるが、放送では「真逆の音をぶつけているから」と説明された。そもそも音は、プラスとマイナスの成分を持つ波となっているが、その波をひっくり返したのが真逆の音となる。真逆にした音(逆位相の音)自体は、普通の音と全く同じように聞こえる。しかし元の音に真逆の音をぶつけると音が消えてしまうことが実験により示された。 実用化されているノイズキャンセリングのイヤホンでは、
ウィキペディアによれば、消音スピーカーの技術は、日本の放送機器メーカーTOAが、世界で初めて開発した。騒音源の音を拾い、それと逆相になるような音を作りスピーカーから出力し空間で打ち消し合わせ「騒音レベルを下げる」ことを目的としたもの。理論自体はかなり昔から証明されてきたが、デジタルシグナルプロセッサの高速化により製品化が可能になったという。現在では、
放送で取り上げられたノイズギャンセラーは消音スピーカーの類似技術であり、 ヘッドフォン再生の場合、収音した環境音に再生音がほとんど混入しないため簡易な電子回路で得た逆相信号でも効果があり、消音スピーカーよりも早く1990年代から商品化された。SONY製のWalkmanや、XPERIA(正しくは、ソニーモバイル製)などでは、「デジタルノイズキャンセリング機能」とされている。と説明されていた。ノイズキャンセラ−にはいくつかの方式があるが、今回紹介されたのは位相によるノイズキャンセラーであったようだ。ウィキペディアでは、位相によるノイズキャンセラーがさらに2方式に分けて説明されていた。
逆位相によるノイズキャンセラーの面白いところは、騒音・迷惑音を避けるためには必ずしも分厚い防音壁を作らなくても済むということだ。屋外であっても、ヘッドフォンから逆位相の音を流せば静穏が保たれることになるはずだ。 もっとも私がよく分からないのは、逆位相の信号は、事前にどういう騒音が発せられるかが予測されなければ生成できないのではないかということ。例えば、救急車のサイレン、ジェット機の機内、鉄道車内などで聞こえてくる音、セミの鳴き声などは、規則的な繰り返しであったり、同じような性質を持つ音なので除去しやすいだろうが、暴走族のけたたましいエンジン音や街宣車の大音響の騒音などは突然聞こえてくるし、音の性質もマチマチなので対処しにくいように思う。 そう言えば、昨日までは統一地方選挙の騒音に悩まされていたが、「○○太郎をよろしく」という騒音を消せたと思ったら今度は「△△花子をお願いします」という別の騒音が聞こえてきたりして、けっきょく静寂は取り戻せないのではないだろうか。余談だが、大音響で候補者の名前を連呼するだけのような宣伝は私にとっては不快感を増やすだけの騒音であり、候補者の名前を聞けば聞くほど名前と不快騒音が対提示され、レスポンデント条件づけによって名前そのものが不快になっていくように思われる。 あと、逆位相の音波をぶつけても、音波のエネルギーは減衰されないと思われるので【←あくまで素人的な想像】、あまりにも強い騒音に逆位相の音をぶつけると衝撃波となって鼓膜を破壊してしまうのではないかという気もする。そこまで行かなくても、普通に音楽を聴いている時とくらべて、逆位相の音をぶつけた分だけ音量が増えて、鼓膜に悪い影響を与えてしまうのではないかという懸念もある【←特に、逆位相の音がずれてしまって音楽と同時に聞こえてしまったような場合】。もっとも高校2年までで物理学を放棄した私には、このあたりのことはよく分からない。 |