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昨日に続いて、今回の旅行で前泊した大阪府南部の写真。昨日掲載のマップにもあるように、和泉橋本駅から二色浜駅に向かう途中【マップ上の緑色の実線】には、小さなため池があった。また今回は立ち寄っていないが、二色浜駅の南東部にも比較的大きなため池『澱池』がある。 大阪府南部の溜め池についてはこちらに情報あり。 |
【連載】チコちゃんに叱られる!「なぜ梅雨?(続き)」、「『さいとう』の漢字表記」「カレーうどん」 昨日に続いて、5月26日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。
まず、昨日に続いて1.の梅雨の原因についての考察。 放送では、日本に梅雨があるのは「チベット高原があるから」と説明されていたが、これは、梅雨という現象が生じるための必要原因の1つを挙げただけに過ぎないように思われる。確かにチベット高原がなければ梅雨は起こらないかもしれないが、同様な論法で、
一般に、ある現象はいくつかの原因A、B、C、D、E、...が複合的かつ階層的に絡み合って生じるものであり、そのうちの1つだけを挙げて「Aが無ければその現象は起こらない」と論じることはできるが、「Aが唯一の原因である」と断定することはできない。このあたりのことは、こちらの講義録の第1章でも述べたことがあった。 元の話題に戻るが、梅雨の原因は、一般的には「オホーツク気団と小笠原気団のぶつかり合いによって生じる」と説明するのが妥当であるように思われる。小学校でもそのように教えているはずだ。しかし、なぜオホーツク気団が発生・持続するのかという1つ下の階層の原因をさぐる上では、チベット高原やジェット気流の分流を必要原因としてあげる必要がある。 放送ではさらに、梅雨入り、梅雨明けの発表表現に紆余曲折があったことが紹介された。
梅雨入り、梅雨明けの判定は確かに難しい。しかも年によっては梅雨前線の活動が弱かったり、オホーツク海高気圧が強すぎて梅雨前線が北上しないまま消滅したりすることもあり、そもそも明瞭な梅雨が起こらないという年もある。地球温暖化に伴う気候変動によって、日本の梅雨はますます不明瞭となり、真夏じゅう、小型の台風が何度も接近したり、熱帯地方のようなスコールに見舞われるようになるという可能性もあるかと思う。 次の2.の「さいとう」姓の漢字表記だが、『戸籍六法 令和5年版』に登録された「さいとう」の「さい」の漢字はなんと59種類にものぼるという。放送によれば、このように「さい」が多いのは「字を間違えまくったから」と説明された。「さいとう」の「さい」はもともと、伊勢神宮の近くにあった『齋宮』に由来している。この「齋」は、上の部分は神様にお祈りを捧げる時に身につけていた髪飾り、下の部分はお供えを置く台を表していた【←それぞれ諸説あり】。「齋」と「藤」が組み合わさったのは、平安時代に「藤原」姓が国の役職を独占して、姓だけでは区別がつきにくなったためであると説明された。「齋藤」姓は、藤原敘用(のぶもち)が「齋藤党等祖」として「齋藤」を名乗ったことに始まる。役職である「齋宮頭」の「齋」と「藤原」の「藤」を組み合わせて「齋籐」を名乗ったとされている。 「さいとう」の「さい」の字が増えたきっかけは1875年に発表された『平民苗字必称義務令』であるとされている。登録する仕組みは苗字を描いた紙を役所に登録するという至って簡単なものであったが、『齋』の文字が登録された際には間違えられたり崩し字がそのまま登録されたりして多様になったという。 同じ読み方の姓がいろいろな漢字で表記される例としては、ほかに「たかはし」さんの「たか」があり、6種類が登録されているという。 私自身が、履修者名簿で遭遇した難解文字としては「はま」や「さき」があったと記憶している。 最後の3.の「なぜカレーうどんは食べている間にシャバシャバになる?」については、私自身はたぶん生涯で1〜2度程度しかカレーうどんを食べた経験がないため、シャバシャバを実感したことがなかった。 放送によれば、正解は「あなたのだ液のせい」と説明された。放送で行われたデモ実験によれば、カレーうどんにわずか1滴のアミラーゼを入れただけで、粘りけは2.9dPa・sから0.0dPa・sに減少した。これは中濃ソースが水になるほどの大きな変化であった。そんなアミラーゼを含んだだ液が、箸やスープを飲む動作を通じてカレーうどんに移り、とろみの基であるデンプンを消化し、シャバシャバをもたらしたという。アミラーゼは非常に強力な酵素であり、人間の1日のだ液量1リットルがあれば1400杯分のカレーうどんをシャバシャバにする力があるという。カレーうどんを最後までとろみのままで食べる方法としては、
放送ではうどんのシャバシャバが取り上げられていたが、カレーうどんばかりでなく普通のカレーライス、さらにはとろみのあるあんかけうどんや、お粥でも同じようなシャバシャバが生じるのではないかと思われたが、特に言及はされなかった。 次回に続く。 |