じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 普段、孫たちの写真や動画を閲覧している家族限定SNSで、クイズ番組の問題が紹介されていた。問題は、

4つの「4」という数字と、「( )+−×÷」という記号を適当に使って、答えが10になる数式を作れ。

というものであったが、寝る前にこの問題を見た時は正解が分からず、代わりに
10進数でなくてもよいなら、
4+4+4+4 =10、但し16進数
4×4×4×4=10、但し256進数
とかいろいろできるなあ。
と書き込んでおいた。

 ところが翌朝目が覚めた瞬間、目の前に「(44-4)÷4」という数式が突然浮かんだ。この夜はクイズとは無関係の別の夢[]を見ていたし、睡眠中に問題を解いていたとは考えにくい。おそらく、以前、同じ問題を何かで見たことがあり、その際の正解を記憶していたために突然思い出されたのではないかと推測される。埋もれていた過去の記憶がこのような形で突然蘇るというのはまことに興味深いことだ。なおChatGPTに同じ問題を出してみたが、計算を間違えてばかりで正解は出してもらえなかった。
この夜に見た夢はかなり鮮明なものであった。岡大の大講義室で、コンピュータ関連のサークルが、ウイルス対策アプリを無料で配布するという説明会を開催。行ってみると数百人の学生であふれていたが最前列に空席があり座らせてもらった。しかし、説明会ではマイクをまわしながら参加者が順番に自らのウイルス対策状況を紹介していて、これでは何時間経っても終わらない、そろそろ退席しようかと思ったところで目が覚めた。

2023年8月19日(土)




【連載】ヒューマニエンス「整理整頓」(6)未来の整理整頓

 昨日に続いて、8月7日に初回放送された、NHK『ヒューマニエンス』、

“整理整頓” それはヒトの本能なのか

についてのメモと感想。今回で最終回。

 放送の終わりのところでは、「未来の整理整頓はどうなる?」と題して、

●外部記憶装置などテクノロジーの進化で整理整頓の仕方は変わる?

というトークが行われた。

 まずは、織田さんからすでにメモ機能、カレンダーのお知らせ機能など、現代のテクノロジーをフル活用しているという話があった。続いて稲垣えみ子さんからは、情報をすべて外部記憶に頼れるようになると、整理整頓しなくてもそれらを取り出すことができる、つまり「整理整頓を放棄していい時代」がスタートした、という発言があった。坂上雅道さんからは、
ChatGPTはまさにその方向に行こうとしている、しかし大量のデータを持ってくることで情報処理が平均化する方向に行ってしまう、これは、いいか悪いかは別として、生物は平均化を嫌うという方向とは異なる。そもそも我々の幸福とは何か、人類の進歩とは何か、を真面目に考えないと、先にコンピュータのほうで決められてしまうことになる。
と語られた。
 藤井彩子アナからは「整理整頓は生き方の選択。未来に向かって生きていきたいなあと思うから過去とはちょっとずつ決別していろんな物を処分したいなあと思いました。」という感想が述べられた。




 ここからは私の感想・考察になるが、すでに述べたように、テクノロジーの進歩によって、情報収集やその整理整頓の仕方が大きく変わってきたことは確かである。パソコンが登場する前、私は、読了文献の要旨、何かの着想、有益情報、英語表現などを京大式カードに書き込んで分類整理していたものだが、今ではこれらはすべてパソコンの外部記憶装置に置き換えている。
 撮影した写真も膨大な量にのぼる。いまでは鮮明な動画も保存できる。このことによって、過去の体験はもはや遠い思い出ではなく、たった今撮影したかのようなリアルさを持って再現できる。そのことが良いかどうかは分からない。人によっては過去に撮影した動画ばかりを見ることで、「今を生きる」のではなく、「過去と融合した今を生きる」生活になってしまう可能性がある。
 ChatGPTの活用が「平均化」をもたらすかどうかは何とも言えない。あらゆる人から提供された大量のデータを頻度だけを基準に取り出していけばそういう恐れはあると思うが、将来的にAIが自分自身の集めたデータだけに基づいてその人の体験を整理したり、考えたことの矛盾点や発展的思考をアドバイスできるようになれば、より個性的な自分を創り上げることができるかもしれない。

 ということで今回の内容はこれで終了。連載1回目でも述べたように、今回の放送内容は、

 まず全体として、放送自体が雑多な内容であって整理整頓できていないという印象を受けた。原因として考えるられるのは、
  • 他の回と異なり、『整理整頓』を専門に研究している人が登場していない。別の分野の専門家がバラバラの視点から関係のありそうな話題を紹介したり、ご自身の「妄想」【←ヒューマニエンスでよく使われる言葉で、まだ確証が得られていないような可能性について専門家が自由に夢などを語る時に使われる】を語っていた。
  • そもそも何をもって整理整頓とするのか? が曖昧。
という印象があった。放送内容についての要望としては以下のような点が挙げられる。
  • 個人の整理整頓行動と、集団内で行われている整理整頓の慣習を区別する必要がある。
  • 『整頓行動』と、断捨離的な『整理行動』は分けて扱う必要がある。
  • 人間行動における整理整頓と、生物界あるいは無生物における物理現象(川の流れ、砂粒の分離、結晶化など)はハッキリ分けて考えるべき。外見上似ているからといっていっしょくたに考察しても単なるたとえ話に終わってしまう。
  • 未来の整理整頓については、新しいテクノロジーの可能性についてもっと取材すべきであった。