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10月29日の朝5時半頃、西の空を眺めたところ、丸い月と木星が接近して輝いているのが見えた。しかし、月の左側が僅かに欠けており、また、通常の満ち欠けや雲によるものではないことが確認できた。さっそく天文年鑑を参照したところ、この日の4時34分から5時53分に部分月食となることが分かった(最大は5時14分、食分0.128)。 皆既月食・部分月食を合わせてこれまで何度も月食を見たことはあるが、すべて、事前に情報を得た上で眺めたものばかりであった。今回のように、月食が起こることをしらずにたまたま空を眺めた時に目撃したのは人生70+α年で初めてであった。なお、月と木星の接近、月の入りと日の出の写真は、まとめて楽天版に掲載する予定。 |
【連載】チコちゃんに叱られる! コーヒーの目覚まし効果/布団を体にかけて寝るのは「巣穴に入ると安心するから」という胡散臭い説明 昨日に続いて、10月27日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
まず、2.のコーヒーの「目覚め効果」については、放送では「カフェインが偽物の鍵になって眠気の鍵穴を埋めてしまうから」が正解であると説明された。福島洋一さん(大東文化大学)&ナレーションによると
放送ではこのあと、コーヒー摂取の歴史や、世界各地の変わりダネコーヒーが紹介された。 ここからは私の感想・考察になるが、この日記に何度か書いているように、私は以前はカフェイン中毒とも言えるほどコーヒーに依存しており、特に昼食後は必ずコーヒーを飲まないと眠気が出て仕事ができなかった。現役時代は、昼食後は必ずコーヒーを飲んでいたが、そのうち、実はコーヒーを飲んでも飲まなくても、午後に眠気が生じる程度に変わりが無いことに気づいた。ということもあって、定年退職後は、それまで朝1回だけ飲んでいた自家製「飲むヨーグルト(自家製ヨーグルト+豆乳、砂糖無し)」を朝と昼の2回に増やし、また夕食後は万能茶を飲んでいるため、結果的にコーヒーを飲む機会が無くなった。コーヒーを飲まなくなったあとはカフェインに敏感になったのか、たまに外食時にコーヒーを飲むと、夜中に目が覚めて寝付けなくなることがあり、それを恐れてますます飲む機会が減ってしまった。 最後の3.の布団を体にかけて寝る理由については、放送では「巣穴に入ると安心するから」が正解であると説明された。 眠りのメカニズムについて長年研究しておられる白川修一郎さん(日本睡眠改善協議会理事長)は以下のように解説された【一部要約・改変あり】
放送ではさらに、布団の歴史についても説明された。
ここからは私の感想・考察になるが、体に布団をかける理由のうち1番目の「睡眠中の体の周りの温度を保つこと」についてはその通りだと思うが、2番目に挙げられた「人間も動物として巣穴に入ると安心するから」というのは進化生物学的な根拠が何も示されておらず、胡散臭い「説明」であると言わざるを得ない。 白川さんは「人間にも野生動物としての感覚が残っている」と言っておられたが、野生動物のすべてが巣穴に潜って寝ているわけではない。木の枝の上で寝る動物もいれば、地上で立ったまま寝る動物もいる。人間に近い、ニホンザル、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンがどのように寝るのかをBingに尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。 それぞれの種類の霊長類は、寝るときに異なる姿勢をとります。以下に、あなたが尋ねた種類の霊長類の寝方をまとめました12:いただいた回答の2.の出典にはより詳しい解説があり、抜粋引用させていただくと、
ちなみに、今回解説を担当された白川修一郎さんは、ウィキペディアでは、 ●東邦大学医学部大学院修了。1990年「睡眠中の体動の動態とその役割」で医学博士。国立精神・神経医療研究センター客員研究員、江戸川大学客員教授などを務めた。 というように略歴紹介されており、また日本睡眠改善協議会の理事長をされておられることから、睡眠研究の第一人者であることは間違いなさそう。しかし、睡眠研究の第一人者だからと言っても、人間以外の動物の行動や進化のプロセスについて専門的・体系的な知見をお持ちであるとは必ずしも言えない。「巣穴に入ると安心できる」というような「説明」は、あるいは「意外性のある正解というウケ」を狙った制作会社の要望を汲んだものかもしれないが、逆に、チコちゃんの番組ではたまに登場するトンデモバージョンの1つとして信頼を損ねる恐れもあるように思う。もしこの指摘が間違いであるというなら、「人間は巣穴に入ると安心して眠れる」ということの進化生物学証拠をハッキリと示してもらいたいものだ。 |