じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



01月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

クリックで全体表示。




 正月三が日があっという間に終わってしまった。今年の正月は、
  • 元日の夕刻に『令和6年能登半島地震』
  • 1月2日夕刻には羽田空港でJALと海保の飛行機が衝突炎上
といった災害や事故が相次ぎ、祝賀ムードがぶっ飛んでしまった。もっとも私自身はおかげさまで平穏な正月を過ごすことができた。
  1. 12月31日大晦日は日々の日課通りで21時頃に就寝。例年通り『紅白』は視聴していないが、今回はあいみょんさんや神木・浜辺のお二人が登場するシーンのみ、翌日以降にNHKプラスで視聴した。
  2. 1月1日は、3年ぶりに近隣の神社に三社参りに出かけた。
  3. 1月2日と3日は、例年通り、箱根駅伝中継の一部を観戦した。
 写真は、冷蔵庫内のヨーグルト(12月31日撮影)。大晦日に近隣の店で4割引商品を大量に購入。私はお酒は一切飲まないが、代わりに自家製のヨーグルト、豆乳、バナナににこれらの値引き品を混ぜて自家製の『飲むヨーグルト』としていろいろな味を楽しむことができた。



2024年1月4日(木)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「鍵閉めたっけ…」となるのはなぜ?

 昨日に続いて、12月29日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日はこのうちの2.について考察する。
  1. おたふくとおかめの違いってなに?
  2. 「鍵閉めたっけ…」となるのはなぜ?
  3. 十二支の中でなぜ辰だけ架空の生き物?
  4. こたつの中の光が赤いのはなぜ?

 さて、「鍵閉めたっけ」の疑問であるが、放送では、「鍵を閉めるとき人はなんの感情もわかないから」が正解であるとされた。脳の仕組みに詳しい澤田誠さん(名古屋大学)&ナレーションによる説明は以下の通り。
  1. ふだん人は「鍵を閉める」という行為になんの感情もわかない。
  2. 人間の脳は記憶できる容量に限りがあり一説には約17.5TBと言われている【←長期記憶に関わる大脳皮質の神経結合数を単純計算】。
  3. 17.5TBはテレビ録画のおよそ半年分【←地上波の番組を1日16時間、毎日録画した場合】であり、日常の全てを記憶しているとあっというまにいっぱいになってしまう。そこで、記憶しなくていいものは記憶しないように脳が省エネ化している。
  4. 脳が記憶するものの特徴として、感情が動くかどうかが大きく関係している。脳の中には、感情や本能をつかさどる大脳辺縁系がある。大脳辺縁系は恐怖・嫌悪感や、喜び・幸福感をもたらす。感情が動いて大脳辺縁系が反応すると、脳は「生きていくために必要」と判断し記憶に残りやすい。
  5. 鍵を閉めるという行為は生活の中でルーティンワーク化されており、感情が動くことはまずない。感情が動かない習慣は、脳の記憶容量を超えないよう、記憶には残されない。
  6. 鍵を閉める行為が感情と結びついていれば記憶に残る可能性が高い。
  7. 外出時には、電車に間に合うかどうか、雨が降るかどうか、というように別のことに注意が向いてしまうため、鍵を閉める行為には注意が向けられない。短期記憶にすら残っていない。
  8. 鍵を閉め忘れて泥棒に入られたことがあれば、記憶に残るようになる。
  9. 例えば指差し確認のように、動作を加えて脳に刺激を与えれば記憶に残る可能性があるが、指差しがルーティンワーク化してしまうと効果が無くなる。


 ここからは私の感想・考察になるが、「鍵閉めたっけ…」となるのはなぜ?」という疑問が提示された時に、私は、

●外出時、鍵を閉めたかどうかが思い出せずに不安になるのはなぜか?

というような強迫性障害や過剰な確認行為のことが取り上げられるのかと思っていたが、放送では、

●鍵掛け行為はなぜ記憶に残らないのか?

という別のカタチで説明が行われていた。しかし、より実用的な観点から言えば、鍵掛けと記憶との関係は以下の4通りに分類できる。
  1. 鍵掛け ○、鍵掛けの記憶○ 【日々確実に鍵掛けを行っており、そのこともしっかり記憶されている】
  2. 鍵掛け ○、鍵掛けの記憶× 【日々確実に鍵掛けを行っているが、そのことは全く記憶に残っていない】
  3. 鍵掛け △、鍵掛けの記憶○ 【鍵をかけ忘れることがあり、その時の記憶はしっかり残っている】
  4. 鍵掛け △、鍵掛けの記憶× 【鍵をかけ忘れることがあるが、かけたかかけなかったかは全く思い出せない】
でもって、実用的な観点から言えば、上記の1.と2.はどちらでも問題は起こらない。要するに、鍵がちゃんとかけられているのであれば、それを記憶しているかどうかはどうでもよいのである。
 いっぽう3.や4.は問題である。このうち3.の場合は早めに引き返せば間に合うが時間的・金銭的なコストがかかる。4.は空き巣の餌食になりやすい。しかしこれらの場合も、記憶しているかどうかは本質的な問題ではない。重要なことは、

●鍵をかけるという行為をいかにルーチン化するか?

ということである。そのためには、外出時の一連の行為の順番を決めておいて、その行動連鎖の中に鍵掛け行為を含めること、また、鍵掛けの次にはドアを動かそうとして施錠できていることを確認する行為を含めておくことが望ましい。
 それでもなお、うまくルーチン化できない場合は、車のキーをさし込んだままにして施錠せずに車を離れるとアラームが鳴るのと同じように、
  • ドアが無施錠のままになっていると数秒後からアラームが鳴り出す
  • ホテルのようなオートロック型にしておく。但し家の中に鍵を置き忘れたままオートロックしてしまう恐れがあるので、例えばそれと併用して暗証番号入力やスマホ認証でもドアが開けられるようにしておく必要がある。

 なお、強迫性障害については、ACTを初めとしていくつかのセラピーが知られている。但し、今回放送されたような記憶の問題とは別。

 次回に続く。