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【連載】チコちゃんに叱られる! 「鍵閉めたっけ…」となるのはなぜ? 昨日に続いて、12月29日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日はこのうちの2.について考察する。
さて、「鍵閉めたっけ」の疑問であるが、放送では、「鍵を閉めるとき人はなんの感情もわかないから」が正解であるとされた。脳の仕組みに詳しい澤田誠さん(名古屋大学)&ナレーションによる説明は以下の通り。
ここからは私の感想・考察になるが、「鍵閉めたっけ…」となるのはなぜ?」という疑問が提示された時に、私は、 ●外出時、鍵を閉めたかどうかが思い出せずに不安になるのはなぜか? というような強迫性障害や過剰な確認行為のことが取り上げられるのかと思っていたが、放送では、 ●鍵掛け行為はなぜ記憶に残らないのか? という別のカタチで説明が行われていた。しかし、より実用的な観点から言えば、鍵掛けと記憶との関係は以下の4通りに分類できる。
いっぽう3.や4.は問題である。このうち3.の場合は早めに引き返せば間に合うが時間的・金銭的なコストがかかる。4.は空き巣の餌食になりやすい。しかしこれらの場合も、記憶しているかどうかは本質的な問題ではない。重要なことは、 ●鍵をかけるという行為をいかにルーチン化するか? ということである。そのためには、外出時の一連の行為の順番を決めておいて、その行動連鎖の中に鍵掛け行為を含めること、また、鍵掛けの次にはドアを動かそうとして施錠できていることを確認する行為を含めておくことが望ましい。 それでもなお、うまくルーチン化できない場合は、車のキーをさし込んだままにして施錠せずに車を離れるとアラームが鳴るのと同じように、
なお、強迫性障害については、ACTを初めとしていくつかのセラピーが知られている。但し、今回放送されたような記憶の問題とは別。 次回に続く。 |