【連載】チコちゃんに叱られる! 「おたふくとおかめの違い」
12月29日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この日は、年末の拡大版SPとして、
- おたふくとおかめの違いってなに?
- 「鍵閉めたっけ…」となるのはなぜ?
- 十二支の中でなぜ辰だけ架空の生き物?
- こたつの中の光が赤いのはなぜ?
という4つの話題が取り上げられたほか、『特別企画 どうする岡村!?』、『チコっと人体実験』、『2023年重大チコニュース』という興味深い企画があった。本日はこのうちの1.について考察する。
さて、『おたふくとおかめの違い』については、放送では「おたふくは幸福のヒロイン、おかめは悲劇のヒロイン。」が正解であると説明された。どちらも実在した人がモデルになっていると言われており、
- おたふくとおかめは、昔の美人の特徴であるとされた「垂れ下がった目」、「低い鼻」、「おちょぼ口」、「しもぶくれのほっぺ」という外見上の共通点を備えている。
- おたふくのモデルは江戸時代・京都のお福、町を歩いてたお福は偶然すれ違った叶福助に一目ぼれされ結婚。叶福助は後に福助人形のモデルになった人物で、福助・お多福を対で飾る風習が生まれ、お多福も「幸福の象徴」となった。福助は大丸創業者の下村彦右衛門だったという説もある。
- おかめのモデルは鎌倉時代・京都の阿亀。阿亀の夫(高次)は大報恩寺「千本釈迦堂」の棟梁に選ばれるという大変な名誉を得たが、柱を短く切りすぎてしまうミスを犯してしまった。阿亀は柱を継ぎ足せばいいとアドバイスし、「斗■(ときょう、■は木偏に「共」)」を設けることで本堂を完成させた。なお「斗きょう」は今でも千本釈迦堂に残っているという。しかし、名声を誇る大工の一世一代の大仕事を妻の助言のおかげで成功したことは夫の恥になると考え、阿亀はみずからの命と引き換えに夫の名誉を守った。当時の日本では、命と引き換えに夫の名誉を守ったことは究極の「内助の功」と見なされた。高次は阿亀の顔に似せたお面を作り本堂に飾って冥福を祈った(扇御弊、おうぎごへい)。この逸話が広まり、おかめは災難除け・幸福の象徴として根づいていった。関西地方ではいまでも、上棟式で『扇御弊』を飾る風習が残っているという。
- 補足説明によれば、1227年に創建された千本釈迦堂は、1467年の応仁の乱でも奇跡的に戦火を逃れ、当時の姿が残っているという。
なお、ウィキペディアでは、『おふく』は室町時代にすでにお面として出現しており、いっぽう『おかめ』は比較的新しく、近世(17-19世紀)の江戸の里神楽で使用されるものであると説明されている。今回放送で紹介されたのはあくまで諸説のなかの1つに過ぎないように思われる。
ここからは私の感想・考察になるが、「おたふく」と「おかめ」に関連した言葉で私自身が聞いたことのあるのは以下の通り。
- おたふく;おたふくまめ、おたふくかぜ
- おかめ:おかめうどん、おかめひょっとこ、おかめつばき、おかめざくら、おかめいんこ
このほか、上記にあった『福助』は足袋の会社のマークとして、子どもの頃によく見かけたが、ウィキペディアによれば2003年に倒産し、現在は豊田通商の100%子会社として再生しているという。
また『おかめ』については、子どもの頃に父親から教わった『大学かぞえうた』の歌詞の2番に歌われていたが、何を意味していたのかはサッパリ分からなかった。なお私が教わった歌詞は、守屋浩さんの歌詞とはかなり異なっていた。
- ひとつとせ 人はみかけによらぬもの クヨクヨするのは ●大生。そいつぁ豪気だね。そいつぁ豪気だね。
- ふたつとせ ふためと見られぬおかめども(でも?) 窓から覗くは ●大生。そいつぁ豪気だね。そいつぁ豪気だね。
- 以下略
次回に続く。
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