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岡山では2月1日から5日までの5日間のうち4日間で降水があり、特に2月5日には16.0ミリのまとまった雨が記録されたが、翌日2月6日の朝にはよく晴れ、南東の空に月齢25.4の月と金星が輝いていた。ちなみに月は、2月8日に金星と火星、2月9日には水星に接近した後、2月10日に新月(旧暦の元日)となる。 |
【連載】チコちゃんに叱られる! マズロー説の限界とそれに代わるもの(3)「ピラミッド」の発案者、「欲求」概念の限界 昨日に続いて、2月2日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。引き続き、 ●おばあちゃんになるとフラダンスを踊り始めるのはなぜ? の解説に登場した、マズローの『欲求の5段階』説について考察する。 まず、昨日も指摘したように、よくみられる『ピラミッド階層の図』はマズロー自身が描いたものではない。この点についてBingに尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。 【質問】上記の回答では「マズローは欲求の階層は個人や文化によって変わることもあると述べています」となっていたが、残念ながら私が研究室の書架に取り揃えてあったマズローの主要著書(ただし翻訳書)はすべて定年退職時に図書館に返却しているため、直接確認することはできなかった。いずれにせよ、この『ピラミッド』を登り詰めて『自己実現』の頂点に達するというような「終わり良ければすべて良し」伝説は、現実の高齢者には当てはまらないように思う。【但し、その高齢者自身が、自分の日々の行いを言語的に構造化して、自己実現物語を創作することはできる。それが最善の生き方になるのか、それとも単なる幻想であり痩せ我慢に終わってしまうのかは、何とも言えない。 以上の指摘に加えて、マズローの説にはより根源的な問題があるように思う。それは「『欲求』で行動を説明できるか?」という問題である。大辞泉によれば、『欲求』は、 1 強くほしがって求めること。「―を満たす」 2 心理学で、生活体に生理的・心理的な欠乏や不足が生じたとき、それを満たすための行動を起こそうとする緊張状態。要求。 と定義されている。マズローの説ではもう少し学術的にしっかりと定義されているとは思うが、この言葉はけっきょく、何かの行動が起こる直前に生じる特定的な体の状態や感覚、(脳科学がもてはやされる時代にあっては)脳の状態を示す言葉に他ならない。 確かに、生理的なレベルの欲求であれば、例えば「尿意(=おしっこしたい)」という欲求が生じておしっこという行動が行われるし、「空腹」という感覚から「何かを食べたい」という欲求が生じて食事という行動を起こそうとする。素朴に考えても、行動を起こす直前にはその行動に対応した特定的な「欲求感覚」がある、だから行動の原因は欲求であると考えたくなるものである。 しかし、あらゆる行動の原因を「欲求」に帰属させてしまうと、 ●なぜ○○という行動をしたのか? それは「○○したいという欲求」があったからだ。 というトートロジーに陥ってしまう。そうなると、例えば、子どもに
この点、行動分析学の強化理論は、行動が増えたり減ったりする原因を適確に同定し、必要に応じて改善をはかることができるという点で、欲求理論より優れているように思われる。 『釣り』を例に挙げれば、素朴な欲求理論では、 ●釣りに熱中するのは釣りをしたいという欲求があるから という程度の説明に終わってしまう。マズローの理論ではおそらく、 ●釣りをすることで自己実現欲求が満たされるから。 ということになるのだろうが、なぜある人にとって釣りが自己実現になるのかを別に説明する必要がある。 いっぽう行動分析学であれば、まず『釣り』を、
次回に続く。 |