【連載】チコちゃんに叱られる! カーブミラーが丸い理由
昨日に続いて、3月1日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、以下の3つの話題のうち、2.について考察する。
- なんで酢豚にはパイナップルが入っている?
- カーブミラーが丸いのはなぜ?
- 醍醐味ってなんの味?
さて、カーブミラーが丸い理由については、放送では「近くと遠くが見えることが大事だから」が正解であると説明された。
道路や橋の構造に詳しい高橋良和さん(京都大学)&ナレーションによる解説は以下の通り。
- ミラーは横からみると丸くでっぱった曲面(凸面鏡)になっている。実際に同じ大きさの曲面と平面のミラーを比較してみると、局面ではミラーまで5mで人物が見えてくるが、平面だと3mまで近づくと左半身のみ、2mでは上半身のみであり、曲面でないと人物全体の姿や周りの景色ををしっかり映すことができないことが確かめられた。
- 四角いカーブミラーでも曲面のミラーが使用されているが、一般道路の90%以上では丸型が使われている。その理由は近くも遠くも見えるから。
- じっさいにほぼ同じ面積・同じ曲がり具合の丸型と角型のミラーを比較したところ、丸型は左右の景色を映しつつ上下の景色を広く映すのに対して、角形では上下の景色【上のほうが遠くの景色、下の方が近くの景色】を映す範囲が狭かった。一般道路のミラーでは坂の向こうから来る車【上の方に映る情報】や近くを歩く人の有無【下のほうに映る情報】というように、近くと遠くの両方を映す必要があり、丸形が使用されている。
- いっぽう、角型は丸形より左右を広く映せるので、すれ違う車に注意する駐車場などで多く使われている。
- カーブミラーを、角形と丸形を重ね合わせたような形にすれば、上下も左右もより広く見えるようになるはずだが、カーブミラーの形や大きさは日本道路協会によって規格が決まっている【丸形は3サイズ、角形は2サイズ、曲率は4通り】ので勝手に変えることはできない。
- ミラーを大きくすればそれだけコストがかかり風の影響も受けやすくなる。いびつな形のミラーは景観を壊す。ということで、できるだけ小さく上下左右を広く映すために丸型が採用されている。
なお京都市には真下を向いたミラーがある。これは峠の頂上部分に設置されたもので峠の向こう側を見るため。
以上のような解説は非常にわかりやすかったので、特に疑問は無い。なお、海外でも同じような理由で丸型の
カーブミラーが使用されていると思われるが、これまで注意して見たことがなかったので何とも言えない。もっとも日本に比べれば遙かに数は少ないと思う。
あと、車のバックミラーの形については、以前は丸型が殆どであったが、最近の車はやや丸みをおびた角形になっているように思われる。理由はおそらくミラーの取付位置がドアミラーに変わったためかと思う。また角形に近いのは、上下の方向は充分な範囲で映せる【しかも、駐車時などに必要があれば角度を変えられる】ことと、駐車時にミラーを閉じる必要があり丸型より丈夫に取り付けられるためではないかと推測される。
次回に続く。
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