じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 バルカンノウルシの花にやってきたナナホシテントウ。ナナホシテントウは肉食でアブラムシ類を食べるということだが、接写した限りではアブラムシは見当たらず、花粉を食べているかのように見えた。

 なおこちらの写真のように、在来種のノウルシのお花畑が観られる場所もあるようだ。


2024年5月5日(日)



【連載】チコちゃんに叱られる! 「カッターナイフ誕生秘話」

 昨日に続いて、5月3日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
  1. なぜ電車は曲がれる?
  2. なぜカッターナイフの刃がボキボキ折れるようになった?
  3. なぜ植物は声を出さない?
  4. こんなんのコーナー:「アリストテレスの錯覚」「2本の鉛筆が磁石のように離れなくなる錯覚」
  5. なぜ直毛の人とくせ毛の人がいる?
という5つの話題のうち、3.について考察する。

 このカッターナイフについては、放送では、「良男が進駐軍に板チョコをもらったから」が正解であると説明された。
 畑中悠さん(オルファカッター【但し放送では社名には言及されていない】)&ナレーション&再現ドラマによる説明は以下の通り。
  1. 刃がボキボキと折れるカッターナイフは大阪市東成区の町工場で誕生した。オルファカッターのショールームには1956年に試作された第1号が展示されている。
  2. 放送では、岡田三朗さん(90歳、会社の相談役)が登場し、この商品を発明した3歳上の兄の岡田良男さんについてのいくつかのエピソードを語った。
  3. 岡田良男と三朗【以下、敬称略】は戦後、それぞれ大阪の町工場で住み込みで働いていた。岡田良男は自動靴磨き機を発明したいがうまく作動しなかった。
  4. 兄弟は印刷工場で紙を切るために日頃からカミソリを使っていたが、小さいカミソリをつまんで紙を切ると指を切ってしまうこともしばしば。しかも、使えるのは2つの角だけ。切れ味が悪くなったらカミソリをまるごと捨てていた。
  5. 紙を切るのにもっと良い刃物はないかと思案していたところ、靴職人が靴底を削る時にガラスの破片を使っているのが目にとまった。ガラスの切れ味が悪くなった時にはそのガラスを割って新しい破片を使用していた。
  6. また、子どもの頃、進駐軍の兵士が板チョコを割って子どもに与えていたことを思い出し、そこからカミソリをポキポキと折る、「折る刃式」カッターナイフの着想を得た。
  7. 岡田良男はさっそく大手文具メーカーにこの発明を売り込みに行ったが、なかなか相手にしてもらえなかった。その後、鶴橋あたりの町工場の人から代金後払いで製造を引き受けるという申し出があった。納品された3000本は不揃いの欠陥品であったが、岡田良男はそれを1本1本手直しし、1959年についに発売にこぎ着けた。
  8. その後、たくさんある道具の中で目立つようにと黄色のデザインに。誕生から68年、毎年1000万本以上が売れる大ヒット商品になった。今では世界のスタンダードになっている。
  9. なお岡田三朗からは、折れ目の角度は一貫して60度になっているが、当時は古い分度器と鉛筆で測っていたため、後で調べたら59度であったというエピソードが語られた。

 ここからは私の感想・考察になるが、カッターナイフが発売された1959年と言えば私が7歳の頃であった。しかし小学校の図画工作の時間などでカッターナイフを使った記憶は一度も無い。中学生の頃には植物の茎を輪切りにして顕微鏡で除いたり、挿し芽をしたりする時にカミソリの刃を使った記憶はあるが、カッターナイフを手にしたことは無かった【なので刃を折ったことも一度も無い】。おそらく、カッターを使う頻度が少なかったため、使用済みのカミソリで十分ということだったかと思う。なお、今では(電動ではない)カミソリは使い捨ての一体型やカセット型の替え刃になっているため、カッターに代用することはできない。

 ところでウィキペディアによれば、『カッターナイフ』というのは和製英語であり、英語では『Utility knife』、中国語では『多用途刀』などと呼ばれているという。
 今回取り上げられたオルファという社名が「折る刃」に由来することは私でも気づいたが、なぜ「オルハ」ではなく「オルファ」になったのかはこれまで調べたことがなかった。リンク先によると、
...【略】...この折り刃式カッターナイフは、岡田商会(岡田工業)が原点であるということでブランド名を「折る刃」を元に「OLFA」(オルファ)とした。OLHAにしなかった理由は、Hの部分を発音しない言語が存在するためである。岡田工業は1984年に正式社名をオルファに変更。刃の寸法(幅9ミリメートル・18ミリメートル)や折り筋角度(59度)などは全てデファクトスタンダードとなり、名実ともに折る刃式カッターの世界ブランドへと成長していった。
という経緯があったようだ。また製品の色に黄色が多い理由について、放送では単に目立つためとされていたが、ウィキペディアでは
オルファの製品には、黄色を主体にした製品が多い。黒色の製品でも1ポイントに黄色を用いている。これは、カッターナイフは刃物であるため、不意に怪我などをしないよう、道具箱の中でも目立つようにするためである。オルファでは「その黄色はたまごの黄身の色に近いあたたかみのある黄色」と表現している。
というように、より詳しく説明されていた。

 ということで、今回の話はチコちゃんの謎解きというよりもプロジェクトXで取り上げたほうが良さそうな内容であった。なお、我が家の工具箱にはカッターナイフは見当たらなかったが、網戸の張り替えの時に使う『カッター付きローラー』が1つだけあり昨年秋に実際に使ったことがあった。但しオルファー製ではない。

 次回に続く。