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半田山植物園で見かけたテングチョウ(5月24日撮影)。 ウィキペディアによれば和名の由来は以下の通り。 頭部の触角の内側に前方に伸びる突起があり、これが天狗の鼻のように見えることからこの和名がある。この突起はパルピ(下唇髭)という器官で、他のチョウにもあるが、テングチョウのパルピは複眼径の3倍以上も伸び、よく目立つ。なお、このパルピはタテハチョウ科などでは比較的大きいが、アゲハチョウ科やシロチョウ科では小さい。 |
【連載】チコちゃんに叱られる! 「木の枝がグニャグニャしている理由」と樹形と葉序 昨日に続いて、5月31日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
さて、木の枝がなぜぐにゃぐにゃしているのかという疑問であるが、私が考えた理由は、
いっぽう、放送では「まっすぐ行ければ楽だけど日の光当たるオーディションで脱落者が続出しているから」が正解であると説明された。植物生理学を教えている園池公毅さん(早稲田大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
以上は分かりやすい内容であったが、まだまだ疑問が残る。上記の説明では、光合成を妨げる日陰は自分の木の枝によってできる陰のことであった。しかし、日陰になった枝をオーディション形式で切り捨てていくというのは随分とムダが多いように思う。最初から、すべての枝に日が当たるように効率よく枝を伸ばせば、枝の成長に「投資した」コストをムダにせずに済む。 この問題はおそらく「樹形」、また1本の枝に葉っぱがどのように配列されるのかについては「葉序」というテーマで研究されているようである。 このうち「樹形」は、遺伝的に決定される部分もあるが、同じ木でも混み具合などの環境要因も大きいようだ。なので、綺麗に整った樹形であるという理由だけでその木があらかじめ成長の設計図を持っていたことにはならないように思われる。これは色々な鉱物や雪の結晶ができあがる仕組みと同様かもしれない。 葉序についてはもっと研究が進んでおり、フィボナッチ数列に関係した『シンパー=ブラウンの法則』というのもあるらしい。いずれにせよ、それぞれの植物において、「1本の枝にどのように葉っぱを配列すれば、より効率的に太陽光を利用できるのか?」という問題にかかわっており、結果として効率性が高いような葉序の特徴を備えたものが結果として生き残ったのではないかと思われる。例えば匍匐生の植物では『対生』の葉序は太陽光を100%利用できるので『十字対生』より効率が良さそう。いっぽう直立する植物では『十字対生』のほうが日陰ができにくいことは素人の私でも推測できる。なお、このことについてウィキペディアでは以下のように解説されていた。 葉序を形成する究極要因は、光合成のために陰をなるべく作らないようにすることであると説明される。螺旋葉序がフィボナッチ数列に則って葉を配置させるのは理論的に最も効率よい付き方であるとされる。ただし、陰のできやすいロゼット葉においてすら、はたしてフィボナッチ数列が効率良いのか、議論の余地がある。この他に、葉序のエントロピーを最小化するという説や、葉序の転移にかかるコストを常に最小化することで、環境に適応する余地を残しているという説が提唱されている。 元の話題に戻るが、枝の形がグニャグニャしている木というのは、おそらく競争の激しい雑木林に多いのではないかと思われる。大草原の中に1本だけ生えているような木が、自分の枝によってできる日陰のせいでグニャグニャ育つとは考えにくい。いっぽう、ひたすら高く伸びることで競争に勝てるような針葉樹林帯では枝がグニャグニャに曲がって伸びるほどの余裕は無さそう。このほか、地下茎で繋がっている竹林ではそれぞれの竹はまっすぐに伸びることでより効率よく太陽光を利用できている。 次回に続く。 |