じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 9月21日(土)の朝、岡大構内をウォーキングしていたところ、津島東キャンパス内で若い女性が構内案内板を見ていた。迷っている様子だったので声をかけたところ、なんと、この日に心理学の講座が開催されるが会場が分からないということであった。この高校生は、「本館で行われる」とうろ覚えしているだけであった。この私でも、さすがに「本館」だけではどの建物のことか見当がつかなかったが、再度スマホで調べてもらったところ「教育学部本館」であることが判明し一件落着となった。
 このことで思ったが、岡大構内で行われる講座・講演会等に参加する場合は、事前に会場の名称を確認し、最寄りのバス停からの道順を調べておく必要がある。岡大は敷地が広いのでうっかり間違えるとキャンパス内を何十分も彷徨うことになる。

 帰宅後に当該のイベントを検索したところ、日本心理学会が岡大と連携して開催している高校生向けの講座であることが分かった【左の画像参照】。もっともこの女性は「こくち」という別の情報サイトでこの講座のことを知ったと言っていた。この「こくち」も検索してみたが、こちらにそれらしきイベント集客プラットフォームが見つかったものの、今回の講座の案内記事は見当たらなかった。
 それはそれとして、このこくちーずプロというイベント情報サイトでは、心理学はスピリチュアルと同じカテゴリーに含まれており、心理学っぽいもののほか、自己啓発ビジネス、仏教、占いなどの講座も同じように案内されていることが少々気になった。ま、それらが一概に悪いというつもりはないが、どうせ同じ時間を使うのであれば、まずは学術団体や大学、自治体の生涯学習支援機関が開催する入門講座に参加し、基礎から積み上げるかたちで学んでほしいと思う。また、イベントの中にはカルト宗教の偽装団体が潜んでいる恐れもあり、注意が必要。

 ま、書店の売り場でも、一般向けの心理学紹介本とスピリチュアル・自己啓発・占いなどの本が並べて展示されていることはしばしばあり、一般に受け止められている「心理学」はそんなものかもしれない。そういう意味では日本心理学会が高校生向け講座を開催することは大いに意義深い。


2024年9月22日(日)




【連載】チコちゃんに叱られる! ナマケモノはなぜなまけている?

 昨日に続いて、9月20日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
  1. 関東・関西の「関」ってなに?
  2. ナマケモノはなぜなまけている?
  3. ZAZY天才化計画進捗状況
  4. 焼き肉のニオイがずっと残るのはなぜ?
という4つの話題のうち、2.のナマケモノについて考察する。放送では、「なまけないと生きていけないから。」が正解であると説明された。村松大輔さん(奈良教育大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. ナマケモノは中央アメリカから南アメリカの熱帯雨林に生息し木の上で葉っぱを食べながら生活。ほとんど動かない様子が怠けているように見えることが名前の由来。
  2. フタユビナマケモノとミユビナマケモノの2つの種類がいて、特になまけものなのがミユビナマケモノ。
  3. ナマケモノの祖先は地上で暮らしていたといわれる。あるとき木の上で葉っぱを食べて暮らす種類が登場した。なぜ木に登ったのか、いつ頃なのかははっきりしないがその生活に適応したのが現在のナマケモノ。
  4. 草食動物にとって木の上で葉っぱばかりを食べて生活することは難しい。そこで必要だったのがなまけること。
  5. 葉っぱや草はカロリーが低く消化しづらいためたくさん食べる必要があり体は大きく重くなる。キリンもその一例。すると枝にぶら下がったり木に登ることが難しくなる。そこでナマケモノは「食べない」・「動かない」という超・省エネボディーに進化した。
  6. ナマケモノの1日の食事は葉っぱ200g。キリンは約58kg。体重あたりの食べる量を比較するとキリンの7.6%に対してナマケモノは4.5%。
  7. ノドジロミユビナマケモノは1日の81%(合計約19時間)を動かずじっとしていた。動くといっても「辺りを見回す(9.3%)」「移動(4.1%)」、「体をかく(3.4%)」、「えさを食べる(1.8%)」、「えさを食べるための移動(0.4%)」程度。
  8. なまけることは敵から身を守る上でも役に立った。なまけることでカラダに藻が生えて森と同化し敵から見つかりづらくなる。
  9. このように、なまけた生活をし始めたからこそ生存競争に勝つことができた。
 ということで、ナマケモノがなまけることはいいことずくめのようにも見えるが、ギリギリのエネルギーで生活しているので天気の悪い日が続くと体温が下がり消化が間に合わなくなり命の危険があるなど、実はスリルのある生活を送っている。中でも最大のスリルは約1週間に1回のトイレ。トイレに行くときだけは木を下りるので敵に襲われる可能性が高くなる。放送ではスリナム共和国・ナマケモノ保護センターで撮影された貴重な映像が紹介された。もっとも、なぜトイレをする時に地面に降りるのか(上半身は木に掴まったまま地上スレスレで糞を出す)、はっきりした理由はわかっていない。
 放送ではさらに、「進化しすぎてこうなった動物たち困ってます」映像が2例紹介された。
  • 冬に日本にやってくる渡り鳥オオハムは、水に潜って魚を捕まえたり、空を飛ぶことが得意だが、泳ぐときに効率よく水かきができるように脚が後ろの方についているため、陸ではうまく歩けない。
  • 北欧やロシアに棲んでいるヘラジカのオスはツノの大きさで優劣が決まるが、ツノが大きすぎるせいで絡まってしまうためまともにケンカできない。外れないまま池に落ちることもある。

 なお、木の上で殆ど動かずに生活する動物としてはコアラがいるが、コアラの場合はユーカリの解毒・消化に体力が必要なためだと考えられている。コアラも木の上で動かず過ごしているがナマケモノより食事量が多く地上を走ることができると補足説明された。

 ここからは私の感想・考察になるが、まずナマケモノが見られる動物園がどこにあるかCopilotに尋ねたところ、20以上の施設が挙げられた。その中で私が行ったことのあるのは、東山動植物園、京都市動物園、長崎バイオパークなどであるが、記憶には全く残っていない。動きが鈍いため印象が薄いためかもしれない。

 ウィキペディアには放送内容よりも詳しい説明があり、
  1. 地上に降りて排泄を行うのは、ナマケモノの被毛の中に棲むナマケモノガと呼ばれるメイガ科クリプトセス属の蛾が排泄物を産卵場所かつ幼虫の餌として利用しやすいようにするためで、ナマケモノガはその見返りとしてナマケモノの被毛に食料となる苔が生えやすいように環境を整える相利共生関係にある可能性が高い、との研究結果がウィスコンシン大学マディソン校の生物学者ジョナサン・パウリ氏により発表されている。
  2. 地上での動作は遅いが、泳ぎは上手である。生息地のアマゾン近辺で雨季に起きる洪水を生き延びるためである。
  3. 非常に少食であり、1日に10gほどの植物を摂取する。前述のように動きが遅いことや、現生哺乳類では珍しい変温動物であることから、基礎代謝量が非常に低く代謝量が非常に少なく、少食でも生命活動を維持できる。よく似た生態・体重だが恒温動物であるコアラが1日当たり500g以上の植物を摂取するのに比べても、ナマケモノは非常に少食である。16世紀にナマケモノがヨーロッパに初めて紹介された当初は、餌を全く摂らず、風から栄養を摂取する動物だと考えられていた。


 少々本題から外れるが、動物園で飼育をする際には、動物が豊かな生活が送れるような工夫(エンリッチメント)が求められる。といっても、単に遊具を増やせばよいというものではない。ネットで検索したところ、

ゴーゴの飼育日誌

に興味深い取り組みが紹介されていた。なおゴーゴは2021年3月によこはま動物園ズーラシアに引っ越しし2024年1月の情報では、イッちゃんと仲良くしているらしい。


 次回に続く。