【連載】チコちゃんに叱られる! 『パパラッチ』と『大納言小豆』
昨日に続いて、10月18日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
- ハスキーボイスが魅力的に感じるのはなぜ?
- ゴシップカメラマンをパパラッチというのはなぜ?
- 大納言小豆はなぜ「大納言」?
という3つの話題のうち、残りの2.と3.について考察する。
まず、2.の『パパラッチ』については放送では「パパラッツォさんがしつこかったから」が正解であると説明された。古賀太さん(日本大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
- 日本の辞書にも、『パパラッチ』は「[イタリア映画の登場人物から]有名人の私生活を執拗に追いかけてスクープをねらう、カメラマン。」【『新明解国語辞典』第八版】という記載がある。
- 映画『甘い生活 LA DOLCE VVITA』(1960年、イタリア)でそのカメラマンを演じたのはウォルター・サンテッソさん。映画の登場人物の名前は『パパラッツォ』であった。イタリア語でこれを複数形にしたのが『パパラッチ』。
- 『甘い生活』は、カンヌ国際映画祭でパルム・ドール、アメリカでアカデミー賞(衣装デザイン賞)を受賞。さらにアメリカの雑誌『TIME』で記事として取り上げられ、世界中に広まった。
- 日本でパパラッチという言葉が広がったのはダイアナ元皇太子妃が交通事故死したニュースがきっかけ。
放送ではさらに、パパラッチとして、さらに報道カメラマンとして活躍している宮嶋茂樹さんから思いが語られた。
ここからは私の感想・考察になるが、私自身は芸能界には関心が無く、そもそも芸能人のイメージというのは意図的に作られたもので実生活はもっとドロドロとしていて、不倫や枕営業が横行しているという思っていたので、ゴシップ記事に興味を持つこともなかった。
報道写真を含めて、映像が与えるインパクトは相当なものであるとは思うが、近年では画像加工技術や生成AIの力で、写真の信憑性が失われてしまったようにも思う。
最後の3.の『大納言小豆』については、放送では、「貴族は切腹しないから」が正解であると説明された。松尾元さん(日本豆類協会)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
- 世田谷区の老舗和菓子屋さんであんこを作る過程を取材したところ、
- 普通の小豆と大納言小豆は粒の大きさで分けられる。
- 代表的なあんこには、『つぶあん』『つぶしあん』『こしあん』『小倉あん』の4種類がある。
- 普通の小豆は煮ると、中のあん粒子が膨張し皮が破れる(=『腹切れ』という)。大納言小豆は皮に柔軟性があるので『腹切れ』を起こさない。
- 江戸時代、小豆の『腹切れ』は切腹につながるので、「男子の祝い事に用いてはならない」(『軍用記』)とされてきた。
- 大納言小豆は皮が破れにくく『腹切れ』が起きにくいことから、切腹する習慣がなかった貴族のトップクラスだった大納言になぞらえて『大納言小豆』と呼ばれるようになった。
- なお、大納言小豆は大納言がかぶっていた烏帽子の形に似ていることに由来するという説もある。
放送ではさらに、街角で老若男女113人に好きなあんこを尋ねるという『あんこ総選挙2024』を行ったところ、1位は『こしあん』で59票、2位は『つぶあん』で46票、3位以下は2〜3票の少数(つぶしあん3、白あん3,小倉あん2)という結果になった。
ここからは私の感想・考察になるが、我が家でも稀に、妻からスーパーで小豆を買ってきて欲しいと頼まれることがあり、そのさいに『大納言小豆』というのを目にしたことがあったが、何かのブランド名ぐらいにしか思っていなかった。このほか、朝食時に餅を食べる場合があり、袋入りのつぶあん【←袋には『つぶあん』と書かれているがじっさいは『つぶしあん』に近い】を買うこともある。但し市販のものは砂糖が多すぎで健康に良くないような気もする。
つぶあんとこしあんの違いは知っていたが、それ以外の2種との近いは初めて知った。
- つぶあん;おしるこ、ぜんざい
- つぶしあん;大福やどらやき
- こしあん:薄皮饅頭、ようかん
- 小倉あん:こしあんに甘く煮た大納言小豆を混ぜたもの。京都の小倉山近くで大納言小豆が作られていたことに因む。
もう1つ、放送では世田谷区にある老舗の和菓子屋さんが紹介されていた。映像に『亀屋』とあったので検索したところ、こちらの店であり、小田急の経堂駅近くにあることが確認できた。『和菓子屋の本格あずきアイス』を食べてみたいものだ。
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