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10月22日の朝は雲が多かったものの朝焼けや日の出を眺めることができた。このところ雲の多い日が多く、この日の日の出の方位は備前富士山頂より南側(右側)にずれており、今季の『備前富士現象』は終わってしまった。今季に『備前富士現象』が見られたのは結局10月19日の1日だけであった。 |
血液型と出身県で病気リスクや体質が分かるか?(5)「O型はピロリ菌、胃潰瘍、ストレス」、「A型は血栓リスク」と言われるが 昨日に続いて、「カズレーザーと学ぶ。」で9月10日に初回放送された、 ●血液型と出身県でわかる!最新タイプ別の病気リスク&太りやすい体質の県 についてのメモと考察。 放送では続いてO型者とA型者のリスクが紹介された。
ここでいったん私の感想・考察を述べさせていただくが、まず上掲の説明でおやっ?と思ったのは、「ピロリ菌がO型抗原と結合しやすいため」という部分であった。異なる血液型で輸血すると何がいけないのかという説明にあったように、ABO血液型では、A型抗原を持つ人(A型者)、B型抗原を持つ人(B型者)、両方を持つ人(AB型者)、両方を持たない人(O型者)というように分類されていたはずだ。ここへ来て「O型抗原」という聞き慣れない別の抗原が登場したことには驚いた。念のため録画再生で確認したが、「O型抗原」については全く解説されておらず、ピロリ菌の話題で唐突に図解されていた。 ということでネットで検索したところ、こちらに分かりやすい説明が見つかった。 ABO型の糖鎖抗原の違いは、糖鎖の末端に結合している糖が、N-アセチルガラクトサミン(A型)、ガラクトース(B型)、末端の糖がひとつ少ない(O型)かで、決まります。従って、すべてのヒトがO型抗原を持っていることになります。そのため、O型抗原のことをH型抗原(human 型抗原)とも呼びます。なお、H型抗原を持たないヒトがわずかにいます。したがって、ABO型のヒトのもつ糖鎖抗原はカッコの中のようになります。A型(A抗原、H抗原)、B型(B抗原、H抗原)、O型(H抗原)、AB型(A抗原、B抗原、H抗原)。もっとも上記の説明では、どの血液型でもO型抗原(H抗原)を持っていることになり、ピロリ菌はどの血液型者のO型抗原にも同程度に結合しやすくなるはずなのに、なぜO型者だけがピロリ菌の影響を受けやすくなるのかが分からなくなる。ということで、Copilotに ●O型者はピロリ菌が結びつきやすいO型抗原(H抗原)を持っているそうですが、O型抗原は他の血液型者でも同じように持っているはずです。それなのになぜO型者だけがピロリ菌の影響を受けやすいのでしょうか? という質問をさせていただいたところ、以下のような回答をいただいた。 O型抗原(H抗原)は他の血液型者にも存在しますが、O型抗原は他の血液型に比べて特に多く存在します。そのため、O型者はピロリ菌が結びつきやすくなります。ピロリ菌はH抗原に結合し、その後、胃の粘膜に付着して感染を引き起こします。O型抗原が多いため、ピロリ菌が結びつきやすく、O型者はピロリ菌の影響を受けやすいと言われています。 なるほど、これでようやく理解できた。ま、今の時代は、ピロリ菌は比較的簡単に除染できるので、O型者であってもなくてもその脅威は大幅に減っているとは思う。 O型者がストレスに弱い(ストレスからの回復速度が遅い)というのはコルチゾール濃度の低さから見る限りは重視すべき問題かもしれない。もっともこの結果部分だけが一人歩きするとO型者に対する差別・偏見をもたらす恐れがある。 ちなみに、O型といえばかつて、O型者への偏見にもとづいて、O型者だけの輜重部隊が編成されたことがあった。こちらに以下のような記述がある。 1934年(昭和9年)、輜重兵第16大隊(第16師団隷下)の軍医・井上日英が、心理学者の古川竹二が提唱していた「血液型性格分類」を利用した部隊編成を提案して採用され、同大隊は「勇敢な集団・堅実な集団・中庸的な集団」に編成された。なお、現在では古川の学説は否定されている。 「O型者は他の血液型に比べて1.28倍、ノロウイルスに感染しやすい【中国で2300人を対象とした研究の結果】」という調査結果について、放送の中ではO型者の出演者3名(カズレーザーを含む)が生牡蠣であたったというエピソードを語っていたが、1.28倍という違いが実用上どの程度の意味を持つのか精査する必要がある。生牡蠣を食べる時には当然それなりにノロウイルス対策を行っているはずだ。1万人あたりの発症数がO型者で1280人、それ以外の血液型者で1000人ということであれば相当の差があると言えるが、O型者が12.8人、それ以外の血液型者が10.0人という程度であれば実用的に価値があるほどの情報とは言えない。少なくともO型者だけ生牡蠣禁止ということにはなるまい。 最後のA型者と血栓症リスクとの関係だが、これもA型者特有の問題というわけではなく、他の血液型者をすべて含めて、心筋梗塞・脳梗塞を防ぐための対策をとるべきであろうと思う。リスクが少ないとされるO型者であっても同程度に注意をはらう必要がありそう。 次回に続く。 |