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【連載】チコちゃんに叱られる! 「なぜかわいいものを見るとジタバタする?」とキュートアグレッション 昨日に続いて、10月25日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
さて、3.の「なぜかわいいものを見るとジタバタする?」という疑問であるが、そもそも私には「ジタバタ」という擬態語の意味が分からなかった。私が知っている『じたばた』の意味は「いまさらじたばたしても始まらない」というようなものであり、可愛いものを見たからといて何をじたばたするのだろうか? 念のため辞書を参照したが、やはり
さて放送では「キュン死しないようにするため」が正解であると説明されたが、ここでまた私が全く知らない「キュン死」という言葉が出てきた。この新語は辞書には載っていなかったのでネットで検索したところ、 ●「キュン死」とは、「思わず心臓が止まってしまうほどときめくこと」を表しています。 ときめきを感じることを「キュン」と表現しますが、それでは表現しきれないときに使うのが、「キュン死」です。 という意味で使われているらしいが、私は残念ながらこれまでの人生ではそのようなときめきを感じたことはないし、もしこの先そのようなことがあれば比喩ではなく本当に心肺停止になってしまう恐れがありそう。 ということで私にはよく分からない疑問であったが、入戸野宏さん(大阪大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
放送で再現された実験は以下のように行われた。
最後に入戸野宏さんから、 ●キュートアグレッションは自分の感情をうまくコントロールできていない状態であり、可愛いからといって知らない人の赤ちゃんやペットに触ろうとしたらトラブルになる。じたばたするのも悪くはないが、かわいいと感じたら、いったん立ち止まってその優しい気持ちを自分の中でよくかみしめ味わうことです。 という補足説明があった。 ここからは私の感想・考察になるが、まず、『キュートアグレッション』というのがどういう行動のことを言うのか定義を明確にする必要があると思う。赤ちゃんやペットを触ろうとする行動、ぬいぐるみを抱きしめる行動は激しい行動であったとしても直ちにアグレッシブであるとは言えないように思う。気泡緩衝材をプチプチ潰す行動は、退屈な時に暇つぶしとして行う場合もあり、これまたアグレッシブとは言えない。 次にイエール大学で行われた実験の再現であるが、これは完全に失敗であった。岡村さんの顔を童顔や高い声に加工したからといって本当に可愛くてたまらなくなるのかが確認されていない。むしろ不自然な加工でキモいと感じることでフラストレーションが高まり、気泡緩衝材を潰した可能性もある。あと、放送を視た限りでは、「加工あり」条件は「加工無し条件」の映像を加工したものではなく、どうやら別に収録され、語られた内容が異なっていたように思われた。これでは条件を比較したことにはならない。さらに、「加工あり」条件で気泡緩衝材が潰された個数は最少7個から最多170個までばらついており、実験参加者がわずか16人という少数のなか、平均値が98.5個であったからといって加工無し条件の70.5個より有意に多いとは到底言えないように思われた【分散が大きいので有意差が出にくい】。 なおウィキペディアでは、もう少し詳しい解説が記されていた。 次回に続く。 |