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【連載】チコちゃんに叱られる! 「官帽のデザインの由来」 昨日に続いて、12月6日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
警察官やパイロットの帽子の上が出っ張っている理由は、放送では「天使の輪をのせたかったから」が正解であると説明された。服飾史研究家の辻元よしふみさん&ナレーションによる解説は以下の通り。なお辻元よしふみさんは「学ランの「ラン」ってなに? 」【2024年6月11日の日記参照】にも登場されている。
以上までのところで、出っ張り帽子の由来は分かったが、ではなぜそれが官帽に採用されたのか? これについては以下のように解説された【要約・改変あり】。
この話題の終わりのところでは、辻元さんが警察官の帽子をかぶって『がきデカ』のこまわり君の「死刑っ!!」のポーズをとっておられた。辻元さんは、がきデカの連載が始まった小学生のころから大ファンであり、おしりの角度にもこだわってノリノリでポーズをとってくれたという。 ここからは私の感想・考察になるが、まず、今回の放送では、警察官、パイロット、自衛官、駅員が被っているのは『官帽』が取り上げられていたが、学生帽も同じように進化しており、なぜ『官帽』だけを限定的に取り上げたのかはよく分からなかった。官帽ほどではないにせよ、学生帽でも上の方が出っ張っているし【←少なくとも野球帽の形ではない】、また『角帽』やあだ名として『座布団帽』と呼ばれたデザインもある。 ウィキペディアでは、今回の放送の「聖職者→学帽→プロイセンの義勇軍」という由来とは異なり、以下のように記されていた。 ●官帽と呼ばれる帽子の原型は、19世紀頃に北欧の労働者らが着用していた帽子だとされる。ナポレオン戦争前後、ロシア帝国及びプロイセン王国は将校用制帽としてこれを採用した。 また制帽の意義については、以下のように記されていた。
いずれにせよ、官帽や学生帽はある程度の自由度を持ってデザインされる。元型が聖職者の帽子、あるいは19世紀頃の北欧の労働者の帽子にあったかということは、時系列的に並べていけば一番古いところから由来したというように見えるだろうが、あくまで参考程度であり、場合によっては全く偶然に類似したということもあるのではないかと思われる。 さらにあるデザインが長期にわたって採用され続ける原因は、そのデザインが当初採用された時の由来とは異なる場合が多い。つまり光輪や聖職者の帽子とは独立したメリットがあればこそ、特定のデザインが保たれているのである。例えば、官帽の装飾で階級を表すことで指揮司令系統がスムーズになるというメリットがある。 もう1つ、辻元さんが大ファンだったという『がきデカ』だが、この漫画が連載されたのは、1974年から1980年であり、私の学部・大学院生時代(1971年4月〜1980年3月)と一致していたこともあり、大学構内の資源ゴミ集積所から『少年チャンピオン』を拾ってきてほぼ毎号愛読していた。辻元さんが大ファンだというが、そう言われればなんだかご本人のお顔、特に目つきがこまわり君そっくりのように見える。次回ご登場された時はぜひ『八丈島のきょん!』をやっていただきたいところだ。 次回に続く。 |